日本共産党資料館

イタリアにたいする四ヵ国政府の内政干渉の策謀を糾弾する

一九七六年七月三十日 日本共産党第十三回臨時大会


 去る六月におこなわれたサンファン会議で、米、英、仏、西独の四ヵ国首脳によって、イタリア共産党が政府に参加するならば、イタリアへの経済援助を停止するという合意がおこなわれた。
 国際的干渉の〝神聖同盟〟といわれるこの四ヵ国支配層の策謀は、イタリアの内政にたいする許しがたい干渉のくわだてであり、イタリア総選挙の結果に示された国民の意思への露骨な挑戦である。同時に、それは、広範な国民各層の合意のもとに、今日の独占資本主義の深刻な経済的、政治的、社会・道徳的危機からの国の民主的再生を追求しているわが国をふくむ資本主義諸国の勤労人民と革新勢力にたいする脅迫でもある。
 日本共産党第十三回臨時大会は、民族主権と民主主義的自由をあくまで擁護する立場から、四ヵ国首脳の反共主義的な共謀を断固として糾弾するとともに、広範な国民各層とともに救国と革新の道を切りひらきつつあるイタリアのすべての共産党員と民主勢力にたいし、もっとも熱烈な支持と連帯を表明するものである。
 今日、世界の独占資本主義の危機が深刻化するなかで、主要な独占資本主義国の支配層は、アメリカ帝国主義の主導のもとに結束をかため、いっさいの犠牲を広範な国民各層におしつけながら、ウォーターゲート事件、ロッキード事件、CIAの国際的謀略などに象徴される腐敗しきった支配体制を維持するために全力をあげている。そのためのかれらの当面の主要な方策のひとつが、発達した資本主義国で、危機からの民主的出路と国政の民主的刷新をめざす各国の勤労人民と革新勢力の先頭に立つ共産党の進出を阻止し、これに打撃をくわえることである。
キッシンジャー国務長官などアメリカ政府の代表者は、共産党が入閣すれば、その国への援助を再検討すると早くからくりかえし公言してきた。昨年十一月のランブイエ会議につづく本年六月のサンファン会議での四ヵ国首脳の反動的合意は、主要資本主義国支配層の共同の帝国主義的野望をあらためて証拠だてたものである。
 この問題に関連して重視しなければならないことは、民族主権と人民主権を踏みにじる国際的な策謀に、社会民主党を中心とする西ドイツ政府やイギリス労働党の政府も加わっており、重要な役割を演じていることである。しかも、その西ドイツ政府は、国内では、思想、信条を理由に基本的人権を踏みにじる公務員の就業禁止や雇用拒否をおこなっており、いまヨーロッパの民主的世論のきびしい追及と批判をうけている。わが国でも〝職場監獄〟といわれる独占資本の企業の職場で、進歩的労働者は、職場における自由をかちとるために積極的なたたかいを展開している。
 四ヵ国政府によるイタリアの内政への干渉の策謀をめぐる事実は、発達した資本主義国における政治革新の事業にとって、自由と民主主義の擁護、国民生活の向上と、民族主権の確立とが不可分にむすびつけられなければならないことをあらためておしえている。
 民族主権、人民主権、自由と民主主義の一貫した徹底した擁護者である日本共産党は、革新三目標にもとづく民主勢力の統一と民主連合政府の樹立をめざし、社会進歩へのあらゆる逆流を打破するたたかいを強化するとともに、アメリカ帝国主義を先頭とする帝国主義と反動の国際勢力の他国の内政へのいっさいの干渉に反対する各国人民の民族自決権と民主主義的自由を擁護するたたかいへの連帯をいっそう発展させるものである。