以前の投稿で、私は福祉の充実と持続のためには消費税についても、議論して
いくことが現実的に映るのではないかと書いた。
一方で、消費税増税によらずに、社会福祉をよりよく、持続させていくといった
策はあるのかという点についても考えていきたい。
風来坊さんが、消費税について考える前に1000兆円の赤字がどうしてうま
れたのか考えることを提起されています。国の財政が転落した理由にプラザ合意
をあげられてました。手元にある本には、85年のプラザ合意により、円高が
(1年で1ドル236円から1ドル150円)すすんで、日本の輸出企業はダ
メージを得た。もちろんそれにあわせて、企業の法人税の引き下げも行われ、円
高対策で政府の為替介入も行われたとあります。
私は、赤字財政が膨らんだ理由として、不必要な大型公共事業を漠然と考えて
いました。赤旗の記事には、90年代の国と地方の赤字の急増(250兆から
650兆)は、アメリカとの協議による10年間で総額430兆円の公共投資計
画にあったと書かれています。いわゆる公共事業に50兆円、社会保障に20兆
円と共産党が宣伝していた時代です。この公共事業とは行政投資額といわれるも
ので、たしかに今は約半分の額(H11年44兆円⇒H20年22兆円)になってきて
います。こうして行われた公共事業で各県に空港が造られ、赤字路線となって
いった。
私が10年前に、関わっていた野宿者支援では、野宿者となった人の多くは建
設関係の仕事をしていたり、日雇いで働いていた人だった。多くの人が、仕事が
なくなると路上生活へ、または生活保護をうけるしか生きていけなくなっていっ
た。生活保護費=社会保障費。もしも、その当時、公共事業ではなく福祉や教育
の人件費にお金を使っていたら、野宿者の状況や1000兆円の赤字額の意味合
いも異なっていたのか。
大学の講義で、医療では、お金がないからと受診抑制することで、結果として 重症化して医療費がかかってしまう。早期受診、早期治療により、医療費を抑え ることができるという研究があることをきいた。ドイツなどは、基本的に受診時 の医療費はかからない。そのような支出にたいする見方も、消費税増税によらず 社会保障を持続させるプランにはいるのだろう。根本的には、日本の少子化の解 消も将来、税収増につながる。 私は3ヶ月間ドイツに滞在していたとき、当時 消費税は16%、食料品7%だったが、消費税5%の日本と変わらない実感だっ た。物価が高いと言われる日本で5年後には10%になったら、どれほど生活し にくくなることだろう。
消費税によらずに社会福祉をよく持続させていく方法は党や政治家に任せるの ではなく、私たちひとりひとりが頭をフル回転させ、考えていくことでもあるの かもしれない。