一 わが党は、国際共産主義運動の問題について、ブカレスト会議、一九六〇年のモスクワ会議、ソ連共産党二十二回大会におけるアルバニア批判、一九六二年末から一九六三年はじめの一連の兄弟党大会における中国やアルバニアの党への公然たる批判などにたいして、マルクス・レーニン主義の原則とプロレタリア国際主義にもとづいてつねに自主独立の態度をとり、国際共産主義運動と社会主義陣営の団結に積極的に貢献する努力をおこなってきた。
わが党は今後とも、国際共産主義運動の問題にたいし、このような自主独立の態度を守りつづける必要がある。
わが党の自主独立の態度は、マルクス・レーニン主義の原則、日本革命の基本路線をしめしているわが党の綱領の基本的立場にもとづいて、また国際共産主義運動の二つの綱領的文書の革命的原則にもとづいて、国際共産主義運動内部で論争されている問題を原則的、自主的に究明し、この問題に正しく対処するという態度である。それは、けっして論争されている問題にたいする中立的、調停主義的、傍観的、受動的な態度ではない。それは、ひとつひとつの問題について正しいことと誤ったことを明らかにし、あくまでも真理を追求する態度である。
国際共産主義運動における自主独立の態度は、日本の労働者階級と勤労人民に全責任をおって自主的に日本革命を推進する道であり、独立と平等の基礎のうえに、兄弟党間の真の血のかよった国際的団結、より高い政治的理論的団結のために貢献する道である。
二 事態の発展は、現代修正主義との闘争がますます重要になってきていることを示している。
チトー一派は、かれらの修正主義的綱領の立場をいぜんとして堅持し、モスクワ宣言とモスクワ声明の革命的原則に反対している。かれらは、国際共産主義運動内部の不団結の発展に乗じ、その一方の側に立つ態度をとって、国際共産主義運動と社会主義陣営の不団結の拡大に積極的な役割を果たし、また国際民主運動にたいする分裂策動をもつよめている。一連の兄弟党は、チトー一派と党の線で合作しだしている。
社会主義国家がユーゴスラビア連邦共和国との関係を改善することには、われわれは反対しない。しかし十分な根拠なしに、かつ兄弟党の国際会議でチトー一派についてのモスクワ声明の条項が一致して訂正されることなしに、チトー一派を国際共産主義運動の一部分とみなすことは内容的にも手続き上もモスクワ声明の重大な違反である。
わが党は、今後ともモスクワ宣言とモスクワ声明を堅く守って、主要な危険である修正主義とたたかい、チトー一派の役割を事実にもとづいて政治的思想的に暴露する活動をつよめる必要がある。
一連の兄弟党がチトー一派を支持しだしたことと関連して、またソ連共産党の一部の同志がわが国の反党修正主義者とも連絡しだしたことと関連して、反党修正主義者の活動は活発になっている。かれらとの闘争をつよめ、かれらを組織的に粉砕することは、わが党にとってますます重要になってきている。
同時にわれわれは、教条主義とセクト主義のあらわれにたいしても、つねに注意し、それがひろまらないようにしなければならない。今日の教条主義は、他党の経験や見解の機械的なひきうつしという特徴をもっている。
われわれは、兄弟党の修正主義的見解をうけいれることを断固として拒否するとともに、兄弟党の正しい見解やすぐれた経験も自主的批判的に学び、必要に応じてわが党と日本人民の闘争の実際とそれを正しく結びつけるようにしなければならない。
三 第九回原水禁世界大会後のジューコフ同志の「プラウダ」論文は、明らかにわが党にたいする公然たる非難である。かれらがわが党にたいして公然と中傷をおこなった理由は、わが党が部分核停条約を支持しないことにあるのだが、わが党はこの問題について事前になんらの相談もうけていないし、またそれに賛成したこともない。わが党が、アメリカ帝国主義および日本反動勢力とたたかう立場から、この問題にたいし自主的決定をすることは当然の義務であり、責任である。わが党にたいするジューコフの非難は、モスクワ声明に照らしてまったく誤っている。
わが党が兄弟党間の団結の原則と節度を守っているにもかかわらず、他党がわが党にたいし、公然または非公然の内部干渉をおこなうことにたいしては、わが党はしかるべき方法でこれに対処しなければならない。さいきん、わが党員にたいして、核停問題などで党中央の方針に反した言明をおこなうような働きかけが他党の党員からしきりにおこなわれるなど、明らかにわが党の団結をきりくずす内部干渉がおこなわれている。このような干渉は、兄弟党の関係についての原則に反する重大な違反であり、放置することのできないものである。
四 事態のその後の発展と今後の展望を考慮して、五中総決議のつぎの点を幹部会の報告の趣旨により補足、訂正することを確認する。
(1)「ある党がモスクワ声明の原則をやぶって、他の兄弟党への公然たる非難をおこなったからといって、みずからもこの非難にこたえることは、結局、われわれ全体が一致してきめたモスクワ声明の原則そのものを、われわれみずからの手によってほうむりさることになる」という点。
モスクワ声明は、「もしいずれかの党に他の兄弟党の活動にかんする問題が生じた場合には、その党の指導部は相手の党の指導部に話をもちかける。もし必要があれば、会議を開き相談をおこなう」とのべている。しかし、モスクワ声明は、ある党が他の兄弟党にたいし公然と批判をおこなうとき、どうすべきかについてはのベていない。モスクワ声明は、そういう場合を予想していないのである。他の兄弟党を公然と批判するというモスクワ声明の侵犯は、モスクワ会議の直後からはじめられ、ソ連共産党二十二回大会で発展し、一九六二年末から一九六三年はじめの一連の兄弟党の大会で一大カンパニアになって、今日に及んでいる。このような情勢のもとで、公然と批判をうけた党が公然と反論できないとすれば、独立・平等の原則は守れない。
(2)「ソ連共産党は国際共産主義運動の一般にみとめられた前衛としての役割を果たしてきている」という点。
モスクワ声明のなかには、これと同一字句が書かれている。しかし、その後、とくに国際共産主義運動内部の不団結がつよまり、各党間の論争がはげしくなるなかで、一方が他方、とくに中国共産党を非難するさい、多くの場合、モスクワ声明のなかのソ連共産党についての叙述の部分が引用され、ソ連共産党は各兄弟党から無条件に信頼される権利があり、その言動は正しく、それを批判することは誤りであるかのように主張する論調がひろがっている。わが党はモスクワ会議当時から、ある党にたいして「前衛」という評価をあたえることは、「前衛」にたいして「後衛」があるとする理解を生み、各兄弟党の平等性とも矛盾する結果となるという明確な主張をもっていた。モスクワ声明の叙述は、モスクワ会議起草委員会の終わりちかくに、ヨーロッパの一部の兄弟党の提案によってつけくわえられたものであるが、けっしてソ連共産党にたいする各兄弟党の無条件的な追随や原則上の問題についての正当な相互批判の放棄を意味するものでないことは明らかである。ソ連共産党指導部自体、「ソ連共産党を先頭とする」などという叙述は声明につけくわえるまでもないとの態度をとっていた。
したがって、国際共産主義運動内部の一部の論調と、わが党の一貫した立場からみて、この字句にたいする解釈を明確にして、誤った態度におちいらぬようにすべきである。
また、五中総決議には、「ソ連共産党とソ連邦は、民族の独立、平和、民主主義、社会主義をめざす世界人民の闘争を一貫して支持している」とされている。しかし、ソ連共産党の民族解放闘争などにたいする態度は、国際論争の中心的な論点の一つであり、国際会議が開かれた場合には、当然に論争の主要な対象となるものである。わが党は、ソ連の民族解放闘争にたいする態度の問題について、必要な場合には、たとえば、ソ連のキューバにたいする査察要求は支持しない態度のもとに、キューバ問題についての一定の見解を明らかにしてきた。したがって五中総決議の叙述は、わが党の立場とも矛盾する結果となり、同時に国際会議などにおいて、この部分がこの問題についてのソ連の政策を全面的に支持するものとして引きあいにだされ利用される危険もある。
(3)国際共産主義運動と世界革命運動、およびわが国の革命運動の前進がソ中両党の団結にかかっているような印象をあたえる叙述になっている点。
国際共産主義運動と世界革命運動の前途にとっても、わが国の革命運動の前途にとっても、マルクス・レーニン主義の原則とプロレタリア国際主義にもとづくソ中両党の団結の回復と強化は、重要な意義をもっている。しかし、十月革命は、帝国主義の包囲のなかで、第二インターの崩壊と西欧諸国における修正主義および改良主義の大流行の情勢のもとで、レーニンとボリシェビキ党の指導によって勝利した。中国革命も、キューバ革命も主として自国の人民の力で勝利した。ソ連共産党と中国共産党の団結が回復され強化されることは、日本革命にとっても、いうまでもなく、きわめて有利である。われわれはそのことを希望し努力する。しかし両党と両国の団結にわれわれの将来がかかっているように考えることは妥当でない。われわれはソ中の団結をふかめ、全世界の共産主義運動の団結のために努力するとともに、一時的にソ中に不団結がつづくとしてもマルクス・レーニン主義とそれにもとづくわが国の革命はかならず最終的に勝利するという確信をもたなくてはならない。
五中総決議のなかのこれらの点を訂正することは、五中総決議の根本精神に反しないばかりか、綱領と大会決定の基本線にそって五中総決議を首尾一貫させる。反対に、もしこれらの点を訂正しないと、わが党がみずから手をしばられ、今後の事態の発展に応じて原則的立場をつらぬくことを困難にする。
五 中国、その他の党を排除して国際会議を開くとか、また、アメリカ帝国主義と断固としてたたかっている諸党を孤立化させ、国際共産主義運動の不団結を決定的分裂にみちびくような言動に反対し、原則にもとづき独立・平等の基礎のうえに国際共産主義運動と社会主義陣営の団結をかちとるためにたたかう。
ソ中両党の会談が今後ともつづけられることを希望し、そのために必要な努力をする。
国際会議を今すぐ開くことは分裂を決定的にする危険があるから、十分準備をととのえて、世界会議を開くことを主張し、そのために必要な努力をする。
六 昨年春、ジューコフ同志が来日したさい、かれは幹部会員と個別的に会って、国際共産主義運動の問題について個別的に意見を聞こうとした。幹部会は、一九五〇年問題の経験にもかんがみ、このようなやり方に反対し、幹部会の正式代表が会うとともに、今後の問題としてつぎのことを決定した。
駐日大使館員をふくめ外国の同志から面会を申し入れられた場合には、かならず党中央の承認と指示にもとづいて処理する。会う場合も原則として一人で会わず、複数で会う。会談の内容について報告する。
そのさい、この幹部会の決定にもとづいて、書記局は党中央の諸機関や各県委員長にたいし、党員が外国の同志と会談するさいには、かならず機関の承認と指導のもとにおこない、また、会談の結果を機関に報告するよう指示した。
また、党員が外国へいく問題がおこった場合には、事前にかならず党中央の承認と指示のもとに渡航し、帰国後、党中央に報告すべきことについても、すでにそれ以前に指示している。
国際共産主義運動の不団結が強まり、わが党の内部問題への干渉もおこなわれているとき、この幹部会の決定を中央委員会総会でも確認し、党の団結のために、今後これをいっそう厳格に守っていく必要がある。
七 この決定については、公表できる、また公表すべき範囲の問題については、アカハタ主張その他適当な方法で決定の趣旨にもとづいた文章を発表する。その具体化は幹部会に一任する。