日本共産党資料館

インドネシア共産党、インドネシアの民主団体にたいする暴力的攻撃は、アジアの反帝戦線に何をもたらすか

(一九六五年十月二十三日)日本共産党中央機関紙『アカハタ』主張


  (一)

 九月三十日事件を契機として、インドネシアでは、一部の勢力によって、暴力的な反共攻撃がつよめられています。スカルノ大統領は、反帝国主義闘争のためのナサコム体制の堅持と民族の団結を説き、「略奪や放火は事態の解決にならない」ことをくりかえし強調しています。そしてインドネシア共産党は、「九月三十日の事件に共産党は関係していない」ことを公式に声明しています。ところが一部の勢力は、この事件を全面的に利用して、インドネシア共産党と民主的諸組織にたいする破壊的な攻撃を開始し、ますます強化しています。すでにインドネシア共産党、インドネシア労働組合中央組織など一連の民主組織の本部は、暴徒によって焼き打ちされ、共産党の指導者の私宅も襲撃されました。
 わが党はこうした事態を重視し、すでに見解を発表しました。さる十月十七日、第七回アカハタ祭りでの講演で、宮本書記長は、インドネシアの事態にたいし「マレーシア」のラーマン首相が満足の意を表明していること、反共暴徒がアメリカ大使館の前で「アメリカ万歳」と叫んだ事実などを指摘しながら、つぎのようにのべて、これらの反共行動をきびしく糾弾しました。

 「われわれは、こういう動きが、だれをよろこばしているかということをはっきりと知ると同時に、日本共産党はプロレタリア国際主義の精神にもとづいて、インドネシア共産党本部および共産党指導者にたいする、このような不法な襲撃絶対承認しない。断固としてこれら一部の暴徒の行動を糾弾するということを、はっきり表明する次第であります」

  (二)

 しかし、その後事態は改善されるどころか、一部の勢力の暴力的な反共攻撃はいっそう激しくなっています。
 十八日には、ジャカルタ地区で共産党の全活動が禁止され、全インドネシア労働組合中央組織をはじめ、農民戦線、婦連盟、学生組織など九つの民主団体の活動が禁止されるという、重大な事件がおこりました。その後共産党の活動禁止や共産党員、民主団体活動家の逮捕は、他の地区にもひろがっており、反共暴徒はインドネシア共産党や民主組織の指導者の処刑を公然と要求しています。
 これらいっさいの反共行動が、ベトナム侵略戦争のあらたな拡大、「日韓条約」による反共軍事同盟の強化などをたくらんでいるアメリカ帝国主義に反対するアジアの反帝戦線の、重要な一部を弱めるものであることはあきらかです。またこうした事態が、アジアの反帝戦線の強化、インドネシア革命の挫折(ざせつ)をねらうアメリカ帝国主義をよろこばせていることもあきらかです。
 インドネシア人民、なかでもインドネシア共産党とインドネシアの民主勢力は、アジアの反帝平和の闘争で重要な役割をはたしてきました。そして、最近ジ「カルタでひらかれた「外国軍事基地撤去のための国際会議」がしめすように、日本人民とインドネシア人民、日本共産党とインドネシア共産党は、帝国主義に反対する闘争で友好と連帯をつよめてきました。
 われわれは、アジアと世界の反帝平和戦線の強化と発展、アメリカ帝国主義の戦争と侵略の政策に反対する共同の闘争における、日本人民とインドネシア人民の連帯の強化と発展という立場から、インドネシアの最近の事態、とくにインドネシアの共産党と民主組織にたいしておこなわれている攻撃と弾圧がつくりだしている事態を重視し、一連の暴力的な反共的攻撃にたいして、かさねてつよく抗識するものです。