日本共産党資料館

アメリカはグレナダ侵略を直ちに中止し全侵攻軍を撤退させよ

1983年10月26日 不破哲三幹部会委員長の談話

 、アメリカ合衆国は、二十五日、東カリブ海六ヵ国をひきいれ米海兵隊など二千人をこえる侵略軍を人口十一万のグレナダに上陸させ露骨な武力侵攻を開始した。わが党は、グレナダの民族自決権をじゅうりんするこの侵略行為をきびしく糾弾し、アメリカ政府が侵略行為をただちに中止し、すべての侵攻軍をグレナダから即時撤退させることを、つよく求めるものである。

 、レーガン米大統領は、今回の軍事行動についてグレナダに在住する米国人約千人の安全を守るためとか、グレナダに「民主主義と秩序を回復するため」であるとのべたが、これは、侵略者が侵略を合理化するために使い古してきた奇弁にすぎない。ググレナダ政権は、米国人をふくむグレナダ在住のすべての外国人の安全が保障されていることを責任をもって言明し、米英外交官を国内情勢の調査のために国内に招き入れることさえしていた。レーガン政権の行為は、独立、非同盟の道を歩むグレナダ政権を武力によって打倒し、アメリカの意のままになる政権をおしつけて、同国をみずからの支配下にくみこもうとするものであり、国際正義の絶対に許さない、他国にたいする侵略戦争そのものである。

 、グレナダが、たとえアメリカにどんなに近い地理的位置にあろうと、グレナダの道を選択するのはグレナダ人民自身のおかすべからざる自決の権利であり、いかなる外国も、グレナダ人民にかわってその運命に介入する権利をもちえないことは、明白である。

 わが党は、昨年の第十六回党大会でレーガン政権がカリブ海地域を「米国にとって死活的重要性をもつ「戦略地域」とかってに位置づけ、中米諸国に生まれた革新政権の転覆や解放勢力の圧殺をめざして、軍事干渉のくわだてをすすめていることをきびしく批判し、ここに今日の世界の平和と民族自決を脅かしている最大の危険の一つがあることを、明らかにした。今回の武力侵攻は、カリブ海地域をみずからの〝勢力圏〟とするあからさまな帝国主義的立場から、レーガン政権が、この地域の革新政権を打倒するための直接の武力侵略にふみだしたものとして、きわめて重大である。
 わが党は、レーガン政権のグレナダ侵略を糾弾し、侵略軍の即時撤退を求める世論と運動を、国内および国際的にただちに発展させるために、日本のすべての平和民主勢力が行動をおこすことをよびかける。
 わが党は、またアメリカ政府にたいして、グレナダ侵略の中止とともに、ニカラグア、エルサルバドル、グアテマラなどラテンアメリカ人民の自決権を侵害するいっさいの干渉行為をただちに中止することをつよく要求するものである。