日本共産党資料館

核兵器廃絶を世界政治の日程にのせた提案として歓迎

日本共産党不破幹部会委員長の談話

 、ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が、〔一月〕十五日、核兵器廃絶の計画案を発表し、アメリカおよび全核保有国に核兵器廃絶の提案をおこなった。ゴルバチョフ書記長は、ソ連が一九四六年に核兵器の製造と使用の禁止を最初に国連で提起した歴史的事実を想起しながら、核兵器廃絶のための「効果的方法を発見することは、もしそれがただちにとりくまれるならば、実行可能な課題である」とのべ、核兵器廃絶へのソ連の意志を強調している。今回の提案が核兵器廃絶の達成の期限を十五年以内としている展望については、この課題達成の速度は基本的には核兵器保有国の政治的合意の形成にかかることであり、あまりにも遅い設定は適切でないとわれわれは考える。今回の提案が核兵器廃絶の問題を具体的な計画として世界政治の日程にのぼせたことは心から歓迎する。

 、ゴルバチョフ書記長は、核兵器を無用にするためと称して危険な宇宙兵器をつくるのにこれから十年も十五年も費やすよりも、核兵器の廃絶にとりかかる方が「合理的ではないか」と呼びかけている。核兵器の宇宙への拡大はもちろん阻止されるべきだが、「核兵器完全廃絶」を米ソ交渉の目標とするという米ソ外相会談の合意にもとづき、核兵器を廃絶すればそれを撃ちおとすためという宇宙兵器の開発は不要であるという圧倒的世論をつくり出すことの必要性を主張してきたわが党としては、当然のこととしてこれを歓迎する。

 、レーガン米大統領はこのゴルバチョフ提案にたいし、核兵器廃絶発言は自分の方が先輩であるなどともいいつつ、一応歓迎の意を表明している。レーガン大統領は、かつての核兵器廃絶についての自己の発言に忠実なら、今回の提案にまじめに積極的に応じるべきであろう。

 、いまもっとも重要なことは、核兵器廃絶のための圧倒的世論を全世界にまきおこし、核兵器に固執する勢力と核兵器の廃絶を求める勢力の力関係をかえることである。こうして、核兵器廃絶の政治的合意を実現することである。日本共産党は、SDI阻止を含め核戦争阻止の課題の実現とともに、核兵器廃絶の国際協定の実現のために全力をあげて奮闘するものである。

(「赤旗」一九八六年一月十七日)