日本共産党資料館

米国の対リビア爆撃を糾弾する

1986年4月16日 「赤旗」主張

 リビアの首都トリポリとベンガジにたいする十五日のアメリカ第六艦隊空母艦載機などによる空からの攻撃は、どのような口実によっても正当化することのできない無法、野蛮武力行使、明白な侵略行為です。それは、国家間の紛争解決の手段として武力の行使、武力による威嚇を禁じ、いかなる民族の自決権をも侵害してはならないとする国際法と国際正義にたいする真っ向からの挑戦であり、国際緊張を激化させ戦争の危険を切迫させる最悪の蛮行です。われわれは、レーガン政権が自国から遠くはなれたリビアにたいしてこうした無法な侵略行為をおこなったことをきびしく糾弾するとともに、それが、地域戦争、さらに第三次世界大戦の火種さえつくりかねないことをきびしく警告します。
 レーガン政府は今回の蛮行について、さる五日に西ベルリンのディスコで起きた爆弾テロ事件にたいする〝報復攻撃〟であり〝自衛行為〟であると説明しています。これほど身勝手で世界をあざむく理屈はありません。

 報復の名で侵略を合理化

 だいいち西ベルリンの爆弾テロについては、その真偽は別として、リビアのマンスール外相は国連事務総長あての書簡で公式に事件への関与を否定しています。
 もしも、この爆弾テロにリビアが関与していたとしても、そうした国際的犯罪は国際法にのっとって犯人の逮捕、処罰をおこない、これに関与した政府の責任を厳正に問うのが国際的なルールです。
 もちろん、だれがどんな口実でやろうともテロ活動が断じて許されないことは当然です。日本共産党は国際テロをふくむすべてのテロ活動に断固として反対するとともに、テロ防止のための国際的な措置がとられるべきことをつよく主張してきました。しかし、レーガン政権の今回の蛮行は、「テロ対策」の名で正当化できるものでは絶対にありません。レーガン大統領は国連憲章第五一条にもとづく「自衛権の行使」などといっていますが、とんでもないことです。
 レーガン政権が、事件についての具体的証拠にもとづく真相究明とその公表さえまたずに無法な軍事行動にでた真のねらいは、〝国際テロ対策〟に名を借りてリビアへの武力威嚇と侵略を合理化し、同時に地中海、中東諸国にたいしてアメリカの力を誇示することにあったといわなければなりません。レーガン政権は一九八七年度国防報告などで、「他国領内にいるテロリスト」を、正規軍を使って攻撃してもよいという考え方さえうち出しています。それは最悪の力の論理、帝国主義の武力侵略、武力支配の論理そのものです。そのことはレーガン政権がさる三月二十四日、リビア側が領海と主張するシドラ湾内で第六艦隊の演習を強行中、リビア軍がおこなった米機にたいするミサイル攻撃への報復と称して、リビア領土を攻撃し、ミサイル基地を撃破した無法行為によっても、すでに明りょうです。

 戦争行為の即時全面中止を

 レーガン大統領は今回の武力行使について十五日のテレビ演説で、「今後も必要ならさらに実行する」として、武力行使、武力威嚇をさらにエスカレートさせる意図をあらわにしています。
 これにたいして、リビアの国営放送は「復しゅうのときがきた」として「地中海の全米軍基地を破壊する」よう呼びかけているといわれ、レーガン政権の力の行使、力の誇示は、これにたいするリビア側の対応とともに、国際平和にとって重大な事態をもたらしかねません。
 われわれはそのことをきびしく指摘し、警鐘を鳴らすとともに、なによりもレーガン政権にたいしてこうした態度を改め、地中海と世界平和をおびやかす戦争行為を即時全面的に中止するようつよく要求するものです。