日本共産党資料館

社会主義的民主主義を踏みにじる中国党・政府指導部の暴挙を断固糾弾する

一九八九年六月四日 日本共産党中央委員会の声明

 、民主化を求める北京の学生・市民らのデモにたいし五月二十日戒厳令を布告した中国の党・政府指導部は、六月四日未明ついに天安門広場に戦車を含む重装備の戒厳部隊を突入させ、非武装の学生、市民に発砲して、おびただしい死傷者を出すという深刻な事態を引き起こした。本来人民を守るべき社会主義国の軍隊が自国の首都の中心部でこともあろうに人民の平和的な大衆運動に銃口を向け、流血の惨事を招いたことは、社会主義の大義に照らし国際的にも絶対に黙過できない暴挙である。わが党は、民主主義の発揚と人権の尊重を基本とすべき科学的社会主義の立場を堅持する党として中国の党・政府指導部の言語道断の暴挙にたいし、怒りをこめて断固糾弾するものである。
 、中国の党・政府指導部は、四月中旬いらいの平和的な学生運動を「動乱」と規定し、戒厳令布告による運動の軍事的抑圧を、それをもって合理化する態度をとってきた。しかし、一連の民主化のスローガンを掲げた今回の学生・市民の運動が非暴力の形態をとり、「動乱」とは無縁のものであったことは、中国の内外を問わず周知のことであった。それにもかかわらず、中国当局は今回、学生、市民の平和的な運動を「反革命の暴乱」とまで決めつけて大規模に武力を行使し、人民の多数の犠牲者を出しながら、なお軍事弾圧を拡大している。これは、当局側が戒厳令の口実に使った「人民の正常な生活と社会秩序の破壊」の当事者が、ほかでもなく中国当局自身であったことを示した。
 、日本共産党は、五月二十九日付「赤旗」主張で、中国の最近の事態が「まさに社会主義的民主主義の基本が問われている事態」であることを指摘した。そして、学生らの運動にたいする武力弾圧の企図の中止、民主主義的手順による問題の解決こそが社会主義国にふさわしいやり方であり、万一軍隊による「動乱制圧」措置が強行されるようなことがあるならば、それは中国の国内問題にとどまらず、国際的にも社会主義の理念を大きく傷つける結果になるだろうと警告した。今回の北京の事態は、まさにわが党のこの警告が現実と化し、中国の党・政府の指導部が社会主義的民主主義をみずからの手で踏みにじったことを示している。
 わが党は、中国の党・政府の指導部が、このような武力による血の弾圧をただちに停止するとともに、中国の憲法自身も保障している公民の権利の尊重、社会主義的民主主義の精神にもとづいて事態の解決に着手すべきであることをきびしく指摘する。

(「赤旗」一九八九年六月五日付)