日本共産党資料館

海上保安庁法改正案
主権侵害に対抗する警察力の強化は必要

(『しんぶん赤旗』2001年10月18日)

 日本共産党は、十六日の衆院テロ問題特別委員会で、海上保安庁法改正案に賛成の態度をとりました。

 日本の領海内で挙動不審な行動をしたり犯罪の疑いがある外国船舶に対応するのは警察力であり、それが海上保安庁の任務です。

 いわゆる「不審船」などによる領海侵犯などがあった場合、軍隊である自衛隊ではなく、第一義的には警察力で主権の侵害を守るのというのが、日本共産党の考えです。

 その海上保安庁の能力に問題があれば、きちんとした機能強化が求められます。たとえば、海上保安庁の巡視船の速度が遅くて「不審船」などに追いつけない状態では困りますから、巡視船の高速化、大型化が必要です。

 また現行法では、法令違反などの疑いがあり、停船命令を出しても従わず、逃走する「不審船」を停船させる手段として武器の使用を認めています。このとき威嚇射撃はできますが、人に危害を与える恐れのある、直接船体に射撃することは許されていません。

 今回の改正では、当該船舶が法令違反などの疑いがあり、かつ停船命令を出しても抵抗・逃亡しようとする場合に、最終手段として、人に危害を与えても罪に問われない「危害射撃」を認める要件を定めるものです。

 日本共産党は、「不審船」に対する立ち入り検査などは必要なものであり、停船命令に従わずに逃亡する場合には、危害射撃によって逃亡を阻止することが必要との立場から、今回の法改正に賛成したものです。

 こうした危害射撃は、実際の運用では慎重さが求められることはいうまでもありません。

 なお今回の自衛隊法改悪法案で、自衛隊に海上保安庁と同様の権限を与える規定をもりこんでいましたが、日本共産党はこれには反対しました。