日本共産党資料館

日本共産党規約 (第7回党大会、1958年7月30日決定)

前 文

(1)日本共産党は、日本の労働者階級の前衛部隊であり、労働者階級のいろいろな組織のなかで最高の階級的組織である。

 党は、自発的意志にもとづき、自覚的規律でむすばれた共産主義者の、統一された、たたかう組織である。

 党の目的は、日本の労働者階級と人民を搾取と抑圧から解放し、日本に社会主義社会を建設し、それをつうじて高度の共産主義社会を実現することにある。

 党は、マルクス・レーニン主義を行動の指針とする。

 マルクス・レーニン主義のみが社会発展の法則をただしく説明しており、社会主義、共産主義を実現するみちをただしくしめしている。党はマルクス・レーニン主義の弁証法的唯物論と史的唯物論の世界観を堅持し、あらゆるかたちの観念論と形而上学に反対する。

 党はつねに日本の具体的現実から出発し、マルクス・レーニン主義の原則を、日本社会の特殊性と幾百万大衆の実際闘争に創造的に適用し、ただしい革命的理論の発展をはかる。

 党はマルクス・レーニン主義の原則をゆがめるあらゆるかたちの修正主義とたたかう。党は、また党内の教条主義、経験主義その他の主観主義的偏向に反対し、左右の日和見主義の理論と実践にたいしてたたかう。

 ただしい革命的理論がなくては、革命の事業に勝利することはできない。党はあらゆる理論軽視に反対し、つねに理論と実践をむすびつける原則をもって党の理論的思想的活動をつよめる。

(2)党の目的を実現するには、党組織と党員の人民大衆のなかでの活動と党にみちびかれる人民大衆の自覚的なたたかいが必要である。

 革命は、労働者階級をはじめとする幾百万人民大衆が、おこなうものである。党の任務は、歴史の真の創造者であるこの人民大衆の利益のために活動し、かれらが不敗の革命的勢力に発展して、みずからを解放する革命の事業を達成するよう奨励し、指導することにある。党の政策の最高の基準は、人民の利益であり、党と人民の利益は一致する。したがって、党員はふかく人民大衆のなかにはいって活動し、党と大衆のむすびつきをひろめ、つよめなくてはならない。

 党は、マルクス・レーニン主義にもとづいて、情勢と敵味方の力関係をただしく判断し、大衆の要求や考え、その行動や創意を分析、総合し、系統的に集約して、党の方針と政策をつくりあげる。そしてそれを大衆のなかにもちこみ、党の宣伝、組織活動をつうじて、それを大衆自身のものとして実践し、実践のなかでそのただしさを検証する。こうして、はじめて党は、人民大衆をただしくみちびくことができる。

 したがって、党は、一定の活動ののち、必ずそれを総括し、成果と欠陥をあきらかにし、教訓をひきださなくてはならない。こうしてこそ、党と大衆の認識をたかめ、革命の事業を成功にみちびくことができる。

 党の指導は、人民大衆に密着しておこない、これからとびはなれても、これに追従してもならない。それは、できるだけひろい人民の支持をうけるように道理にかなった立場にたって、切実な人民の利益を代表し、しかも力関係におうじて、節度あるものでなくてはならない。

 このようにして、党と人民大衆との相互信頼とかたい団結がつよめられ、党と人民の革命的力量を着実にましていくことができる。

 これが、党の政治的、組織的方針としての大衆路線である。党が、人民大衆からはなれ、その利益について鈍感になったり、または闘争を大衆に命令したり、党だけが遊離して請負ったりすることは、すべて大衆路線をはみだすものである。したがって党は、これらの人民大衆から遊離するいっさいの傾向とたたかう。

(3)日本共産党の組織原則は、民主主義的中央集権制である。党は民主主義の原則と中央集権制の原則を正しく統一する。

 党内民主主義の保障、かっぱつな党内討議は、党員および党組織の積極性と創意性をたかめ、党生活を生き生きとしたものにし、自覚的な規律をつくるとともに、党内のゆたかな意見と経験を集約し、党員の認識をひろげ、個人的指導を排して集団的指導を実現し、党の指導力をたかめるためにかくことができない。

 しかし、このような党内民主主義が、党の中央集権制と結合し、その基礎となって、はじめて党が全党員と全党組織の意志と行動を統一して強力な実践力を発揮し、どんな困難にもうちかち、党と人民の敵にうちかつ戦闘的組織となることができる。

 決定にたいしては、少数は多数にしたがい、下級は上級にしたがい、積極的にこれを実行しなくてはならない。

 こうして、党内民主主義は中央集権制のもとにおける民主主義であり、また党の集中制は、党内民主主義を基礎としてはじめて強固なものとなる。したがって、党員は党内民主主義を無視し、党員の創意性をおさえる官僚主義や保守主義とたたかうとともに、集中的指導をよわめる無原則的な自由主義や分散主義とたたかわなくてはならない。

 党の指導原則は、集団的な知恵と経験にもとづく集団指導と個人責任制の結合である。

(4)民主主義的中央集権制にもとづき、党員の自覚と厳格な規律による全党の統一と団結こそは、党の生命であり勝利の保障である。したがって、すべての党員は、いかなる場合にも党の統一をかたく守らなくてはならない。意見がちがうことによって組織的な排除を行なってはならない。また党規律をみだし、決定を実行せず、統一をやぶり、派閥をつくり、分派活動をおこなうことは、党を破壊する最悪の行為である。党内では、党の政治方針や組織原則をそこなうような行動はゆるされない。

 党の規約は、党活動と党生活の基準であり、すべての党員は規約を尊重し、これを軽視したり、無視したりしてはならない。党員は、全党の利益を個人の利益の上におき、誰でも党の上に個人をおいてはならない。

(5)党と人民の歴史的事業をなしとげるためには、党は、敵にたいする党と人民の着実な勝利と成果をつみあげるとともに、党活動の欠陥とあやまりをたえず見出し、批判と自己批判の方法をもって克服し、党と人民の教訓としなくてはならない。どのような政党でも、どのような個人でも、その活動のなかに欠陥と誤りはさけられない。しかし、日本共産党とその党員にとっては、同じあやまりをくりかえしておかさず、重大なあやまりをおかさぬことが、敵にたいする勝利のため必要である。

 欠陥とあやまりをみようとせず、あるいは、これをおしかくして現状に甘んずることは、党の戦闘力をゆるめる。しかし欠陥とあやまりを克服するには、打撃的方法をもちいないで節度をもって同志的にたがいに相手をたかめるようにおこなわなくてはならない。党は党員の相互の信頼と協力の原則により、批判と自己批判をつうじてさらにつよい団結に到達し、党内のあやまった思想をただしく解決する。

 日本共産党員は、わが労働者階級の前衛としてのほこりと自覚をもって、かがやかしい共産主義の終局の勝利を確信し、あらゆる困難にうち勝って、断固として敵とたたかう戦闘的精神をもたなければならない。敵に屈服して党と階級の利益を裏切るような行為は、共産党員としての最大の恥辱であり、最大の犯罪である。党員は修養と学習にはげみ、つねに言行を一致させ、誠実勤勉に不動の信頼をもって人民大衆のなかで活動し、広範な大衆と団結しなくてはならない。党員はつねに進取の気風をもち、行動性をおもんじ、どんな困難をもおそれず、忍耐づよく、謙虚に、精力的に活動しなくてはならない。

 日本共産党とすべての党員は、党の革命的伝統と戦闘的精神をうけつぎ、つねに日本人民とともにすすみ、日本民族のすぐれた歴史的遺産をうけつぎつつ、独立・民主・平和・中立・生活向上の新日本のためにたたかい、かがやかしい社会主義と共産主義の実現にむかって奮闘しなくてはならない。

第1章 党員

 第1条 党の綱領と規約をみとめ、党の一定の組織にくわわって活動し、党の決定を積極的に実行し、規定の党費をおさめるものは党員となることができる。

 第2条 党員の義務は、つぎのとおりである。

(1)全力をあげて党の統一をまもり、党の団結をかためる。

(2)党の政策と決定を実行し、党からあたえられた任務をすすんでおこなう。

(3)大衆のなかではたらき、大衆の利益をまもって大衆とともにたたかい、党の政策と決議を大衆に宣伝し、党の機関紙や文献をひろめ、大衆を組織し、党員をふやす。

(4)マルクス・レーニン主義の学習につとめ、自己の理論的、思想的水準をたかめる。

(5)地位のいかんにかかわらず、党の規約と規律をかたくまもる。たえざる修養によって高い品性を身につける。

(6)批判と自己批判によって、党活動の成果とともに欠陥と誤りをあきらかにし、成果をのばし欠陥をなくし、誤りをあらため、党活動の改善と向上につとめる。

(7)党にたいして誠実であり、事実をかくしたり、ゆがめたりしない。

(8)敵の陰謀や弾圧にたいし、つねに警戒し、党と人民の利益を傷つけるものとは積極的にたたかう。

(9)党の内部問題は、党内で解決し、党外にもちだしてはならない。

 第3条 党員の権利は、つぎのとおりである。

(1)党の会議や機関紙で、党の政策にかんする理論上・実践上の問題について、討論することができる。

(2)党の政策と活動について提案をおこない、創意をもって活動することができる。

(3)党内で選挙し、選挙される権利がある。

(4)中央委員会にいたるまでのどの級の指導機関にたいしても質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる。

(5)党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。

(6)党の決定に同意できないことがあるばあいには、自分の意見を保留し、また指導機関にたいし、自分の意見を提出することができる。ただしそのばあいも、その決定を無条件に実行しなくてはならない。

(7)自己にたいして処分の決定がなされるばあいには、その会議に出席することができる。

 第4条 すべての党員は、第2条にさだめてある党員の義務を誠実にまもり、第3条にさだめてある党員の権利をおかしてはならない。これらの義務をまもらず、また権利を尊重しないものは批判され、教育される。

 第5条 18才になったものは、党員になることができる。

 入党を希望するものは、党歴6ヶ月以上の党員2名の推薦をうけて、入党を申込む。

 入党の許可は、個別的におこない、原則として細胞で審議したうえで決定し、地区委員会の承認をうける。

 特殊な事情のもとでは、地区委員会以上の委員会は、直接党員を採用することができる。

 第6条 他の政党の党員は、原則として同時に共産党員であることができない。

 他党の党員であったものを入党させるばあいには、その普通党員であったものは、党員2名(そのうち1名は3年以上の党歴をもつ党員)の推薦をうけ、県委員会の承認をうける。その幹部党員であったものは、党員2名(そのうち1名は5年以上の党歴をもつ党員)の推薦をうけ、中央委員会の承認をうける。

 第7条 党員が入党希望者を推薦するばあいには、入党希望者の思想、資質および経歴について党組織に説明し、推薦に責任をもたなくてはならない。また推薦人は、入党希望者にたいし、党員としての自覚と決意をかためさせなくてはならない。

 党組織は、これにたいし、すみやかに適切な指導をあたえなくてはならない。

 第8条 党組織は、新入党者にたいし、党の綱領、規約についての教育、党活動についての初歩的な教育をおこなう。

 第9条 いちじるしく反社会的、反階級的で、党の純潔をけがすものは入党させることができない。

 第10条 党員がはたらく場所または住所をかえたときは、もとの細胞からあたらしい細胞に転籍しなくてはならない。転籍の手続は、中央委員会のべつにさだめる規定による。

 第11条 党員は、離党することができる。党員が離党をもとめるばあいには、細胞または党の機関は、その原因をしらべ、離党しないよう説得につとめる。それでも離党をもとめるばあいには、細胞の会議にかけて離党をみとめ、1級上の党委員会に報告する。

 第12条 党組織の努力にもかかわらず、6ヶ月以上党生活にくわわらず、また6ヶ月以上党費をおさめない党員はみずから離党したものとして除籍することができる。

 党組織が党員の資格に欠けているとみとめた党員にたいしては、本人と協議したうえで、除籍することができる。

 党組織が、党員の除籍をおこなうばあいには、事情をくわしく調査して慎重におこない、1級上の委員会に報告し、その承認をうける。

 第13条 離党したもの、および除籍されたものが再入党を希望するときは、第5条の規定にしたがう。ただし推薦人のうち1名は、離党または除籍後の活動を知っている党員であることを必要とし、2級上の委員会の承認をうける。

 除名されたものの再入党は、中央委員会が決定する。

第2章 党の組織原則と組織構成

 第14条 党の組織原則は、民主主義的中央集権制である。その内容はつぎのとおりである。

(1)党の各級指導機関は、選挙によってつくられる。

(2)党の指導機関は、それを選挙した党組織にたいして、その活動を定期的に報告する。

(3)党の指導機関は、つねに下級組織と党員の意見や創意をくみあげ、その経験を研究、集約し、提起している問題をすみやかに処理する。

(4)党の下級組織は、その上級機関にたいし、その活動を定期的に報告するとともに、その意見を上級機関に反映する。

(5)党の決定は、無条件に実行しなくてはならない。個人は組織に、少数は多数に、下級は上級に、全国の党組織は、党大会と中央委員会にしたがわなくてはならない。

(6)党指導の原則は、集団指導である。集団指導と個人の責任制は、ただしくむすびつける。重要な問題は、すべて集団で決定し、個人が分担した任務については、創意を発揮し、責任をはたす。

 第15条 党の組織は、地域と生産(経営)にもとづいて組織するのが原則である。

 党の組織は、工場、鉱山などの経営および農村、居住、学校を基礎として組織される。基礎組織の上級は地区機関、地区機関の上級は都道府県機関、都道府県機関の上級は、中央機関である。

 第16条 党組織の階級構成は、労働者の比重を不断にたかめなくてはならない。指導機関の構成もまたおなじである。

 第17条 全国組織の最高機関は、党大会であり、党大会から党大会までの指導機関は、中央委員会である。

 都道府県組織の最高機関は、都道府県党会議であり、党会議から党会議までの指導機関は、都道府県委員会である。

 地区組織の最高機関は、地区党会議であり、党会議から党会議までの指導機関は、地区委員会である。

 基礎組織の最高機関は、細胞党会議(総細胞党会議)または細胞総会であり、党会議(総会)から党会議(総会)までの指導機関は、細胞委員会(総細胞委員会)または細胞長である。

 第18条 あたらしく細胞(総細胞)および地区組織をつくったり、地区組織の管轄をかえたり、または、必要に応じて地区委員会の補助機関として、郡(市)委員会をつくる場合は、上級機関に申請し、その許可をうけなくてはならない。

 第19条 党の各級委員会は、党大会と各級党会議で選出される。選挙は選挙人の意志がじゅうぶん表明されるようにしなくてはならない。

 選挙人は自由に候補者を推薦することができる。党の各級委員会は、次期委員会を構成する候補者を推薦する。候補者は政治的品性、能力、経歴について選挙人によってじゅうぶん審議されなくてはならない。

 選挙は無記名投票による。表決は、候補者名簿一人一人についておこない、名簿全体について一括して表決してはならない。

 第20条 全国的な性質および、全国的な範囲で決定すべき問題は、中央機関で統一的に処理する。地方的な性質および地方的に決定すべき問題は、その地方の実情におうじて、都道府県機関と地区機関で自主的に処理する。

 下級組織の決定は、上級機関の決定とくいちがってはならない。

 第21条 党の政策と指導をただしくするためには、党員と党組織は、その意見を上級機関に反映しなくてはならない。また党の上級機関が、決定をおこなうときには、これらの意見を積極的にくみあげなくてはならない。

 党の政策問題について、下級組織は、党の組織内で討論をおこない、その上級機関に自分の意見を提出することができる。ただし、上級機関が決定したのちは、それにしたがい、実行しなくてはならない。

 もし、上級機関の決定が、下級組織の実情にあわないとみとめたばあいには、下級組織は上級機関にその決定の変更をもとめることができる。ただし、上級機関がなおその決定の実行をもとめたばあいには、下級組織は無条件にこれを実行しなくてはならない。

 全党の行動を統一するためには、全国的性質の政策問題について、中央機関の意見に反して、下級組織とその構成員は、勝手にその意見を発表したり、決議してはならない。

 第22条 党の基本的な問題について、全党討議を特別に組織するのはつぎのばあいである。

(1)3分の1以上の都道府県組織によって、その必要がみとめられたばあい。

(2)中央委員会の内部に確信をもつ多数が存在しないばあい。

(3)中央委員会の内部に、一定の見地にたつ強固な多数があっても、中央委員会がその政策のただしさを全党的に検討する必要をみとめたばあい。

 この全党討議は、中央委員会の指導のもとにおこなう。

 第23条 党の各級委員会は、重要な決定をするにあたって下級組織の意見をきき、また決定をただしく党内に理解させ、あるいは党活動の経験を交流、総括するために、活動者会議をひらくことができる。

 この活動者会議は、問題の性質にしたがい、特定分野の活動者会議とすることができる。

 第24条 党の各級委員会は、必要な専門部や専門委員会その他の機構をつくることができる。

第3章 党の中央組織

 第25条 党大会は、中央委員会によって招集され、すくなくとも2年に1回ひらかれる。党大会は、中央委員、同候補、中央統制監査委員および代議員によって構成される。中央委員会は、党大会の招集日時と議事日程を、おそくとも3ヶ月前に全党に知らせる。

 中央委員会が必要とみとめて決議したばあいと、党員総数の3分の1、または都道府県組織の3分の1が、その開催を要求したばあいには、3ヶ月以内に臨時大会をひらく。

 党大会は、全党の意志が代表されるようにしなくてはならない。党大会は、代議員の半数以上の出席によって成立する。

 党大会の代議員選出の方法と比率は、中央委員会が決定する。

 代議員に選ばれていない中央委員、同候補、中央統制監査委員は評議権はもつが、決議権をもたない。

 第26条 党大会は、つぎのことをおこなう。

(1)中央委員会および中央統制監査委員会の報告を審議し、その当否を確認する。

(2)党の方針と政策を決定する。

(3)党の綱領、規約をかえることができる。

(4)中央委員会および中央統制監査委員会を選出する。中央委員、同候補および中央統制監査委員は8年以上の党歴が必要である。

 第27条 中央委員会は、党大会から党大会までのあいだ党大会の決議を実行し、党の全活動を指導する。

 第28条 中央委員会は、前条の規定にもとづき、主としてつぎのことをおこなう。

(1)対外的に党を代表する。

(2)党の方針と政策を、全党の実践によってたしかめ、さらにただしく発展させる。

(3)必要におうじて、中央の党機構をつくり、中央機関紙の編集委員会を任命する。

(4)下級組織を点検し、指導するため、中央委員会の代表および組織者を派遣する。

(5)党の理論活動を強化し、マルクス・レーニン主義理論の学習を指導する。

(6)幹部を系統的に調査し、教育し、全党的立場でただしく配置する。

(7)党の財政および資金を管理する。

 第29条 中央委員会総会は、すくなくとも3ヶ月に1回ひらく。中央委員の3分の1以上の要求があったときは中央委員会総会をひらかなくてはならぬ。委員候補は、評議権をもって中央委員会総会に出席する。

 第30条 中央委員、同候補および中央統制監査委員の人数は、党大会で決定する。中央委員に欠員ができたときには、中央委員会は、委員候補のなかからおぎなう。

 第31条 中央委員会は、中央委員会幹部会と書記局を選出し、中央委員会議長1名、書記長1名を選出する。中央委員会の議長は、中央委員会幹部会の議長をかねる。

 第32条 中央委員会幹部会は中央委員会総会から中央委員会総会までのあいだ、中央委員会の職務をおこなう。書記局は、中央委員会幹部会の指導のもとに、中央の日常活動を処理する。書記局の責任者は書記長である。

 第33条 中央統制監査委員会は議長と副議長を選出する。議長は中央委員会と中央委員会幹部会に主席する。中央統制監査委員会は、つぎの活動をおこなう。

(1)党員と党機関が規約と規律をまもっているか、いないかを点検し、その違反事件について責任をとい、党の規律をつよめる。

(2)除名その他の処分についての各級党組織の決定にたいする党員の訴えを審査、決定する。

(3)中央統制監査委員会は、中央機関の会計とそのいとなむ事業と財産、予算と決算を監査する。監査については、べつに規定をもうける。

 第34条 各級の党機関は、規律の違反とその処分について、つねに中央統制監査委員会に報告しなくてはならない。

 第35条 中央委員会は、その指導をつよめるために、地方に中央委員会の代表機関をおく。

 中央委員会は、中央機関の方針をその地方にただしく具体化するために、また闘争の統一をはかり、経験を交流するために、数個の都道府県組織によって協議会をひらくことができる。

第4章 党の都道府県組織

 第36条 都道府県党会議は、都道府県委員会によって招集され、すくなくとも1年に1回ひらかれる。都道府県党会議は都道府県委員、同候補および代議員によって構成される。都道府県委員会が必要とみとめて決議したばあいと、党員総数の3分の1の要求があったばあいには、臨時党会議をひらく。

 都道府県党会議は、代議員の半数以上の出席によって成立する。

 都道府県党会議の代議員の選出方法と比率は都道府県委員会が決定する。

 代議員に選ばれていない都道府県委員、同候補は評議権をもつが、決議権をもたない。

 第37条 都道府県党会議は、つぎのことをおこなう。

(1)都道府県委員会の報告を審議し、その当否を確認する。

(2)党大会と中央委員会の方針と政策を、その地方に具体化し、都道府県の方針と政策を決定する。

(3)都道府県委員会を選出する。委員会に委員候補をおくことができる。都道府県委員、同候補は、4年以上の党歴が必要である。

(4)党大会の代議員を選出する。

 第38条 都道府県委員、同候補の人数は、都道府県党会議で決定する。都道府県委員に欠員ができたときには、都道府県委員会は、委員候補のなかからおぎなうことができる。

 第39条 都道府県委員会は、中央機関の決定をその地方に具体化し、都道府県党会議の決定を実行し、都道府県の党活動を指導する。

 第40条 都道府県委員会は、委員長と常任委員会を選出する。また必要なばあいは、副委員長をおくことができる。

 常任委員会は、都道府県委員会総会と総会のあいだ都道府県委員会の職務と日常の党務をおこなう。

 都道府県委員、同候補および委員長は、中央委員会の承認をうける。

 第41条 都道府県委員会は、その指導をつよめ、数地区の共同闘争を組織し、また相互の経験を交流するため、地区協議会をひらくことができる。

第5章 党の地区組織

 第42条 地区党会議は、地区委員会によって招集され、すくなくとも1年に1回ひらかれる。地区党会議は、地区委員、同候補および代議員によって構成される。地区委員会が必要とみとめて決議したばあいと、党員総数の3分の1の要求があったばあいには、臨時党会議をひらく。

 地区党会議は代議員の半数以上の出席によって成立する。

 地区党会議の代議員の選出方法と比率は、地区委員会が決定する。

 代議員に選ばれていない地区委員、同候補は評議権をもつが、決議権をもたない。

 第43条 地区党会議は、つぎのことをおこなう。

(1)地区委員会の報告を審議し、その当否を確認する。

(2)上級機関の方針と政策を、その地区に具体化し、地区の方針と政策を決定する。

(3)地区委員会を選出する。委員会に委員候補をおくことができる。地区委員、同候補は、2年以上の党歴が必要である。

(4)都道府県党会議の代議員を選出する。

 第44条 地区委員、同候補の人数は、地区党会議で決定する。地区委員に欠員ができたときには、地区委員会は、委員候補のなかからおぎなうことができる。

 第45条 地区委員会は、上級機関の決定をその地区に具体化し、地区党会議の決定を実行し、地区の党活動を指導する。

 第46条 地区委員会は、委員長と常任委員会を選出する。また必要なばあいは、副委員長をおくことができる。常任委員会は、地区委員会総会と総会のあいだ地区委員会の職務と日常の党務をおこなう。

 地区委員、同候補および委員長は、都道府県委員会の承認をうける。

 第47条 地区委員会は、その指導をつよめ、数細胞の共同闘争を組織し、またたがいに経験の交流をはかるため、細胞協議会をひらくことができる。

第6章 基礎組織

 第48条 党の基礎組織は、細胞(総細胞)である。工場、鉱山、船舶、その他の経営、町、村、学校などに、3人以上の党員がいるところでは、細胞をつくる。

 党員が3人にみたないときは、付近の細胞にはいるか、または細胞準備会をつくる。

 第49条 党員が10人にみたない細胞は、細胞長、副細胞長を選出する。

 10人以上の党員がいる細胞では、細胞委員会を選出する。細胞には、班をもうけることができる。班には班長をおく。とくに党員のおおい経営、町村などでは、党活動をつよめるため、地区委員会の承認をうけ、いくつかの細胞をつくり、これらの細胞で総細胞をつくることができる。

 総細胞は、総細胞委員会を選出する。細胞委員会(総細胞委員会)は委員長、副委員長を選出する。

 細胞(総細胞)の指導機関は、地区委員会の承認をうける。

 第50条 細胞党会議(総細胞党会議)または細胞総会は、すくなくとも6ヶ月に1回ひらく。細胞(総細胞)党会議は代議員の半数以上、また細胞(総細胞)総会は党員総数の半数以上の出席で成立する。細胞(総細胞)党会議、または細胞(総細胞)総会はつぎのことをおこなう。

(1)活動の総括をおこない、活動方針をきめる。

(2)細胞(総細胞)委員会、または細胞長、副細胞長を選出する。

(3)地区党会議の代議員を選出する。

 第51条 細胞の任務は、つぎのとおりである。

(1)細胞はつねにかたく団結し、細胞会議を定期的にひらかなくてはならない。

(2)党の綱領と決定を大衆のなかで宣伝し、大衆と結びつき、大衆とともにその実現につとめる。

(3)党の機関紙と党の文献の普及につとめる。

(4)大衆の気分、意識、要求をただしく理解し、これを上級機関に報告するとともに、大衆の利益をまもってたたかう。

(5)あたらしい党員をふやし、党費をあつめ、党員の長所と短所をよく研究し、党員が党の規律をまもるようにつとめる。

(6)マルクス・レーニン主義と党の経験や政策の学習を組織し、党員の思想的、政治的水準をたかめる。

(7)活動の中で批判と自己批判をつよめ、欠陥とあやまりをあきらかにし、これをとりのぞくようにつとめる。

第7章 党外組織の党グループ

 第52条 原則として、党外組織の被選出機関に、3人以上の党員がいるばあいには、党グループを組織し、責任者を選出する。

 党グループと責任者は、そのグループを指導する党委員会の承認をうける。

 党グループは、

(1)大衆団体のなかで、その規約を尊重しながら大衆の利益をまもって活動し、党の政治的影響をつよめる。

(2)党グループは、すべての問題について、対応する各級委員会の指導にしたがわなくてはならない。

第8章 被選出公職機関の党組織

 第53条 国会に選挙された党員は、国会議員団を組織する。

 国会議員団は、団長を選出し、中央委員会の承認をうける。

 国会議員団は、中央委員会の指導のもとに、国会において党の方針、政策にもとづいて活動する。そのおもなものは、つぎのとおりである。

(1)人民の自由と利益をまもるために、国会において党を代表してたたかい、国政の討論、予算の審議、法案の作成、その他の活動をおこなう。

(2)国会外における人民の闘争と結合し、その要求の実現につとめる。

(3)人民にたいして、国会における党の活動を報告する。

 第54条 各級地方自治体の議会に選挙された党員は、党議員団を組織する。党議員団は、団長を選出し、各級党委員会の承認をうける。党議員団は、各級党機関の指導のもとに活動する。

 自治体首長に選出された党員の活動もまたこれに準ずる。

 地方議員団、自治体首長は、第53条の国会議員団の活動に準じて、地方住民の利益と福祉のために活動する。

第9章 党の資金

 第55条 党の資金は、党費、党の事業収入および党への寄付などによってまかなう。

 第56条 党費は実収入の1%とする。

 党費は定期的に納入しなくてはならない。

 失業している党員、老齢または病気によって扶養をうけている党員および生活困窮党員の党費は月額30円を最低として、細胞が討議してこれをきめ、地区委員会の承認をうける。

 第57条 入党するものは、入党にさいし、入党費100円をおさめる。

 第58条 党費の徴収方法と各級委員会への配分率は、中央委員会がきめる。

第10章 党の規律

 第59条 すべての党員は、党の規律をかたくまもらなくてはならない。第2条の党員の義務をまもらず、党の統一を破壊し、決定にそむき、党をあざむき、また第3条の党員の権利をおかして、いちじるしく党と人民の利益に反するものは、規律違反として処分される。

 第60条 規律違反の処分は、事実にもとづいて慎重におこなわなくてはならない。処分は、訓戒、警告、機関からの罷免、党員権の制限、除名にわける。

 党員権の制限は、1年をこえてはならない。

 第61条 党員にたいする処分は、その党員の所属する細胞党会議(総会)の決定によるとともに、1級上の党委員会の承認をえなくてはならない。

 特殊な事情のもとでは、地区以上の各級委員会は、党員を処分することができる。ただし、このばあいは、1級上の委員会の承認をえなくてはならない。

 第62条 都道府県、地区委員会の委員、同候補にたいする機関からの罷免、党員権の制限、除名は、その本人を選出した党会議で決定する。党会議が緊急にひらけないばあいには、その委員会の3分の2以上の多数決によって決定し、1級上の委員会の承認をえなくてはならない。この処分は、つぎの党会議で承認をうけなくてはならない。

 党組織の防衛のため、緊急にしてやむをえないばあいには、中央委員会は、規律違反をおこなった下級組織の委員、同候補の処分をおこなうことができる。

 第63条 中央委員会の委員、同候補の機関からの罷免、党員権の制限、除名は、党大会で決定しなくてはならない。党大会が緊急にひらけないばあいには、中央委員会の3分の2以上の多数決によって決定し、つぎの党大会で承認をえなくてはならない。

 中央統制監査委員の処分は右に準ずる。但し党大会が緊急にひらけないばあいには、中央委員会と中央統制監査委員会との合同会議をひらき、それぞれの3分の2以上の決議でおこない、つぎの党大会の承認を得なくてはならない。

 第64条 下級組織は、上級委員会の委員、同候補にたいし、処分を決議することができない。

 第65条 除名は、党の最高の処分であるから、もっとも慎重におこなわなくてはならない。党員の除名を決定し、または承認するばあいには、関係資料を公平に調査し、本人の訴えをききとらなくてはならない。

 第66条 党員にたいする処分を審査し、決定するときは、特殊のばあいをのぞいて、処分をうけるものにじゅうぶん弁明の機会をあたえなくてはならない。処分が決定されたならば、処分の理由を、処分されたものに通知しなくてはならない。

 処分をうけた党員は、その処分に不服であるならば、再審査を要求することができるし、中央委員会および党大会にいたるまでの上級機関に訴えることができる。

 各級の党機関は、いかなる党員の訴えも、責任をもってすみやかに処理しなくてはならない。

付 則

 第67条 中央委員会は、この規約にきめられていない問題については、規約の精神にもとづいて、処理することができる。

 第68条 綱領、規約の改正は、党大会によってのみおこなわれる。 規約の改正は出席代議員の3分の2以上の多数決でおこなう。

 この規約は1958年7月30日から効力をもつ。