この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
この度の綱領改定で天皇制の容認が報道され、その事についての不破さんのコメントもテレビで見ました。個人的に大変残念です。この事はやがて国民自身が決める事という内容であったかと記憶しますが、一党の方針として廃止から容認に変更する場合の説得力に欠け、今ばやりの「説明責任」という観点からも不足感は否めません。私は日本共産党の歴史的な遺産を反故するに値する事という見方をします。党の名前に責任をもち党名を変えないという事への共感、戦前の支配構造の中で絶対的な権力を振るった天皇制と闘わざるを得なかった党員の人たち、犠牲になった方々への共感の故に日本共産党を支持してきた人も多かったのではないでしょうか。党の礎を結果的に軽んじる事につながりませんか? 確かに、戦後世代は平和と幸福の象徴であるかのように天皇ご一家のテレビや雑誌での報道に接してきました。天皇制廃止を掲げるのは得策ではないかもしれません。しかしだからこそ、天皇制という日本にとって微妙かつ根源的な問題への明確な姿勢を党として表明しつつ、日常的な問題への真摯な取り組みの中から支持層を広げ、いつか政権を得た時(天皇制廃止を掲げて政権をとるなんて、そんな高いハードルをクリアするには日本共産党の独裁的イメージがかなり払拭された時だと思いますが)あらためて国民の意思を問う、その流れを作ってほしかったというのが私の感想です。