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綱領改定討論欄

 この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。

lafmaninovさん-天皇制問題について

2003/7/14 democrat、40代、弁護士

 まず、「匿名」とは様々な配慮から氏名を明らかにしないという意味であって、無責任な言論や虚偽が許されるわけではありません。投稿の内容によっては投稿者の資格や肩書きが意味がある場合もあります(医師、官僚、警察官、党専従その他)。あなたの肩書きの「40代、会社員」もそのような意味のあるものとして私は読んでいます。

 次に、綱領改定案の「党は、一人の個人あるいは一つの家族が『国民統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ」という箇所については、象徴天皇制を廃止するという以外に解釈の余地があるとは思われませんし、普通の理解力でわからないものだとも思いません。「天皇制の廃止」という威勢はいいが誤解されるおそれのある表現よりも、事柄のデリケートさをわきまえた丁寧な書き方だと思います。

 同様に、あえて「国民の総意による」と当たり前のことを書いているのも、不要な誤解を招かないための配慮でしょう。

 「現天皇は君主ではない」というのは、社会科学的な、あるいは憲法解釈上の正確さを問題にしているのですが、これは実践的にも大きな意味があります。確かに、あなたの言うように反動勢力は天皇を「元首」扱いし、ことあるごとに戦前の天皇同様の存在に持ち上げようとしています。しかし、こうした不当な扱いがあるからといって天皇が象徴でなく「君主」になることはありません(だから彼らは憲法改正を主張するのです)。逆に、こうした扱いこそが現行憲法違反であるとして批判されるべきなのです。

 それから、「世襲の象徴君主のいる国で共産党などの民主勢力が大きい国はあるのですか」という質問に対しては、共産党が大きいかどうかはともかく、イギリスやオランダ、スウェーデンなどが民主主義国家でないとはいえないでしょうね。あなたのような乱暴な言い方をすれば、当面の民主的改革の問題に「天皇制廃止」を掲げなければならないでしょうが、そこまで主張されますか?

 最後に、賀詞決議等の個々の問題は主権在民の精神に反するかどうかケースバイケースで考えればよい問題です。愛子ちゃん誕生では、私もそのような決議に賛成する必要はないと思います(ただ、内容によっては絶対反対とまでいう必要はないでしょう)。呼称も、天皇含め「~さん」でよい。「陛下」や「殿下」は主権在民に反する呼称です。まして、何の地位も実績もない赤ちゃんに「様」をつけるのは非常識でばかばかしいことです。