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綱領改定討論欄

 この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。

「民主集中制」議論についての市本氏の誤解

2003/7/23 ぽっぺん、30代

 2003年7月3日の市本浩氏による投稿「見過ごしにできぬ不破発言」について感じたことがありましたので投稿します。市本氏は日本が社会主義社会に発展した場合に「悪名高い」民主集中制のシステムによって旧ソ連のようになると述べられております。その根拠として、「ソ連型社会主義の功罪については、いろいろ言われているが、その最大の罪悪は、党の規律である民主集中制を国家レベルの規範にまで押し上げ、憲法にうたいあげるなどして、国民の自由な言論・思想を完全に抑圧し去ったことにある」ということをあげておられます。
 この議論についてですが、わたしは市本氏はソ連社会についての認識に誤解があるのではないかと思います。レーニンの死後スターリンは、当時のボルシェビキの指導部の90%余りの幹部を根こそぎ粛正し、実権を握りました。そのなかにはレーニンから高く評価されていたトロツキー、ブハーリン、カーメネフといった人々がいました。レーニンはこれらの幹部の個々の弱点や誤りについては批判することはありましたが、意見が違うからと言って組織的に排除したり、することはありませんでした。それどころか個々の幹部の優れた点を最大限に引き出し、全体としてボルシェビキの権威が高まるように努力しました。スターリンによる粛正の後、ボルシェビキの中央委員会は全く開かれませんでした。また、党大会も開かれませんでした。スターリンがやったことは「民主集中制」の組織原則を踏みにじった独裁そのものだったのです。(G・ボッファ著『ソ連邦史』参照)もし、ソ連でレーニンのように民主集中制の原則を固く守っていたならばソ連は崩壊しなかったのではないのでしょうか?
 民主集中制の原則とは「上から言ったことを下に無条件で押し付ける」、「その組織において自由に発言したり批判したりする権利がない」と言ったものではなく、「みんなでおおいに議論して決まったことはみんなで実践して、それが正しいかどうか見極める」同時に「意見の違いによってその人々を批判したり排除してはならず、少数意見や保留したりする人たちを大事にする」ことです。そして国民のみなさんに政党としての言動に責任を持つために、派閥や分派を作ることはしないということも大事なことです。
 そしてこの原則は共産党のなかでの自発的な取り決めでありこれを国民のみなさんに強制したり、未来社会のシステムとして当てはめるということはありえないことです。
 とまあ、つたない文章を書きましたが、綱領改定にあたってはおおいに議論し国民のみなさんからもおおいに御意見、批判も頂きながらそれこそ「民主的に」新しい綱領を日本国民の宝にしていく努力が必要ではないでしょうか?