この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
拙稿をお読みいただいてありがとうございます。2003/7/22の投稿を拝見いたしました。せっかく興味をもっていただきましたのでご希望にそいたいと思いますが、その前に少々お願いがあります。
たぶん視力の関係でHPが読みにくいのだと思います。ご承知でしょうが、インターネットエクスプローラやネットスケープなどのインターネットのサイトを表示するソフト=ブラウザソフトには、表示する文字のサイズを拡大する機能があります。この機能を使うと文字はかなり大きく表示されます。ネットスケープは200%まで拡大できます。インターネットエクスプローラでも文字サイズを最大にすると、多少視力が低くても眼鏡なしで読めるぐらいにはなります。いずれもメニューバーの「表示」アイコンから操作できます。たぶん、これでずいぶん改善されるはずです。
また、文字データーをコピーしてワープロソフトなどに貼り付けると、任意の文字サイズ、行間で表示することもできます。
いちどお試し下さい。
自分の文章でも他人の文章でも、単純化することはけっこう難しい作業ですし、できれば避けたいと思います。次のことを条件にやってみます。
1 この投稿は「綱領改定案の天皇(制)を論ずる2003/7/13」を単純化したものですが、もしご批判をいただく場合には、2003/7/13の投稿に基づいていただきたい。
2 時間があればご協力したいと思いますが、私に与えられた可処分時間はたいへんわずかなものですから、とりあえずは「今回に限り」ということでお願いします。
【要約】
① 天皇(制)が、なぜ「民主主義および人間の平等の原則と両立する」ことがないか。
・ 天皇制がわずか60年ほど前まで、実際に絶対君主として君臨した。
・ その地位は世襲であり国民の意思がおよばない存在である。
② 天皇は政治的権能を有しないが、内閣総理大臣と最高裁判所長官の任命権者であり、法律の公布、国会の召集、衆議院の解散などいろいろな国事行為を行う。
③ 日本の天皇制は、実質的に国を支配しなくなっても存在し続けたことに対する私見を述べた。
・ 日本でも、南北朝時代などで朝廷の系統性が複雑な経過をたどったことはあるが、基本的には皇室の系統性が今日まで続いた。
・ 古代中国などでは基本的に皇帝制度が続いたが、ここには日本の天皇制=朝廷のような系統性はない。
・ おそらくは、中国における最下層の大規模な農民反乱が寄与しているのではないか。日本にはこれほどの規模の農民反乱の歴史がない。また、私見ですが、これが中国において封建制が発達しなかった理由ではなかろうか、という仮説を私は持っています。
④ 日本では天皇制がほとんど実効的な支配権を失ってからも、新しい時代の覇者となった勢力が天皇制を利用して、新しい権力をうち立てようとした。
・ 天皇の政治的利用が現実味をおびて問題となるのは、おそらく政治の相対的な安定期ではなくて、歴史の大きな変わり目」や「戦争の時代」であったし、今後もそうであろう。
⑤ 「時代の変わり目」とか「激動の変革の時代」とはどんな時代か。
・ その実例として、ソ連邦や東ヨーロッパの社会主義国の崩壊や、チリにおけるアジエンデ政権の崩壊、をあげた。
・ これらの「権力の移行」を伴う「時代の変わり目」とか「激動の変革の時代」は、何の混乱もなく経過したような例はまず存在しない。
・ また、これらの社会が有した内在的合法的な手続によって旧権力(政権)が崩壊した例はほとんどありません。
・ 権力の移行は、旧社会における法規に照らせば何らの「超法規的措置」を伴うことなしに推移することはない。
⑥ そういう時期には政治勢力の間での厳しい闘いが展開される。
・ 仮定の話ではあるが、民族民主統一戦線勢力が政府を組織しようとするとき、たときなど、天皇(制)を利用しようとする勢力が「国会を召集しない、内閣を認証しない」などの抵抗手段をとる可能性が「絶対にない」と言いきれるか。
⑦ 天皇(制)の政治的利用は、むしろ「時代の変わり目」、「激動の変革の時代」、あるいはまた不幸にして戦争の時代にこそ登場するであろう。
・ そのとき、どのような事態が起こるかは具体的に想定することは不可能だ。
・ したがって、(天皇制を容認する綱領改定案より)、天皇制の廃止を掲げる現行綱領の立場がはるかに適切だ。
以上です。これを投稿する数時間前に「綱領改定案の天皇(制)を再び論ずる──不破提案批判──」を投稿しました。あわせてお読みいただきたいのですが、できれば他のテーマでの投稿もしたいと思っています。どうか、今後のものにつきましては、要約投稿はご容赦下さい。