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綱領改定討論欄

 この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。

「ユートピア」的ばるさんの妄想

2003/7/26 こうとくしゅうすい、20代、学生

 「ユートピア」とは、ギリシャ語で「まだ見果てぬ地」というが、ばるさんの「見果てぬ地」は過去も現在も将来にも存在しないのである。

その方針(ネップ)は骨格は一定の範囲内で私的資本主義や外国資本の参入を認める、その中でも資本主義に負けない社会主義部門をつくり発展さす。また、経済全体の要となる部門は社会主義部門として確保する。農業では将来的には協同組合化を目指すが、自発的な意思を基本とし、上から権力的に組織はししない、というような内容でした。

 ネップでは、当時のソ連において実質「税」として「生産者」からの一定の「収奪」を「国家」が行ったため、特に農業部門では生産者は「自発的な意思」など存在しませんでした。また、スターリン期に「商品」の基準を「重さ」などで行ったのではなく、建国時から流通上の「商品」価値が錯綜した中で、現場では行われていました。
 またブラック・マーケットが、計画経済の「補正」を行ったのであり、「ネップ」が行ったのではないです。そしてこのブラック・マーケットはソ連建国から崩壊まで存在し続けました。
 「ネップ」がスローガンとして最後に持てはやされたのが「ペレストロイカ期」でしたが、ペレストロイカの惨状を見れば、事実は明らかです。
 また日本共産党は、中国・ベトナムが「ネップ」の理念を参考に「市場経済から計画経済」と言ってますが、中国・ベトナムが参考にしたのは「崩壊していく東欧」でした。
 ばるさんは、どれだけ多くの中国・ベトナムの研究者が、80年代の東欧に入ったか知ってますか?
 「市場経済から計画経済」ではなく「計画経済から市場経済」に急激に移行した「東欧モデル」を参考にしながら、中国・ベトナムは現実的に対応したんですよ。

 私は「ソ連的国有化」の価値判断をしないが、「誤り」であったとするなら、いつの時期からどのセクターがどう「誤り」であったかを明らかにしなければならないと思う。私はスターリン主義者ではないが、スターリン悪玉論で片付く程「ソ連研究」は浅いものでないと思う。また「綱領」で述べるべきことは将来の日本の到達する「共産主義社会」における「生産手段の形態」である。「生産手段の社会化」の例示を「ソ連的国有化」の否定をもって「誤魔化す」ことは許されない。
 また私は、「共産主義国」でなく「共産主義社会」を目指すべきであり、決してばるさんのようにこのことを「誤魔化し」はしない。なぜなら、それこそが「生産手段の社会化」と不可分なものであるからだ。