この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
まず最初に、私は属したことのない会社や地域、及び住んだことのない国の批判はしない。伝聞や情報のみで国を評価を鵜呑みにするのは危険と思うからだ。綱領ではソ連のようの国にはならないと言っているがほとんどの人は長期的には滞在したことがないのでよくわからないのであろう。現ロシアでも共産党(ソ連型)は支持率30%を占めているので全部が全部悪いということでもなさそうだ。
綱領改定では社会主義と共産主義は同じ意味だそうだ。
確かにマルクスやエンゲルスは同意味に使っていたらしいが、レ-ニンはそれを発展させ社会主義は共産主義への初期の段階で労働者が国家権力を把握し搾取のない社会を実現する。共産主義は社会主義の高い段階で国家等の拘束力もなく高い生産力が実現される中で、人々は必要に応じて生産し、必要に応じて受け取れる理想の社会と定義していた。原綱領もその立場に立っている。
日本共産党は科学的社会主義に立脚しているが、これはマルクス、エンゲルスが考えレ-ニンが発展させたものであるが、すでに100年近く経っており、社会的政治的な経験が蓄積されてきている現在に即した考え方に基づいている。マルクスやレ-ニンの部分的な言葉を金科玉条に論じているのでは範囲が狭められてしまう。マルクスやレ-ニンでもコンピュ-タ-でのインタ-ネットの普及や汚染物質によるオゾン層の破壊などの世界的な環境問題までは予想しなかったであろう。科学的社会主義は時代とともに進化するものである。
その日本共産党が現綱領でレ-ニンの説をとり社会主義は共産主義の1段階であり、共産主義が最終段階であるというと規定していたのを、改定案では時代的にはさかのぼるマルクス、エンゲレスの説の社会主義=共産主義をとるのは歴史を退行させたものとなる。日本共産党の党員の英知を集めて作った現綱領の到達点目標とは何であったのかと考えてしまう。