投稿する トップページ ヘルプ

綱領改定討論欄

 この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。

自虐的な歴史観はいけない

2003/8/2 lafmaninov、40代、会社員

 私は綱領改定案について何回か投稿しているが、順不同で申し訳ないが新たな疑問が生じてしまった。

 その前に、Democratさんが日本共産党は戦後には天皇制の廃止を言ったことがないとしていたが、現綱領が審議され保留となった第7回の党大会の行動要綱(党大会で議決された)では、天皇制の廃止は民主主義実現の項目で明確に記載されている。

 さて問題の自虐的歴史観であるが、新しい歴史教科書を作る会の推進員が攻撃のよりどころとしている論理である。子供に日本人は悪い人だ、素性のよくない民族だと教えたり、中国や朝鮮の人たちの主張を鵜呑みにするのはけしからんという主張である。

改定案の(三)にはこう書かれている。

 日本帝国主義は、1931年、中国の東北部への侵略戦争を、1937年には中国への全面侵略戦争を開始して、第2次世界大戦道を開く最初の侵略国家となった。

この部分に相当する現綱領は

 党は天皇制専制政府による中国への侵略戦争に反対してきた。

 文章は似ているようでかなり違う。改定案では歴史的な解釈を、ただ年表を並べて評論家の立場で言っているにすぎない。現綱領では、党のはたした歴史をたんたんと述べている。又改定案では侵略推進者を天皇制政府ではなく日本帝国主義としている。関東軍将校が軍事における天皇の統帥権の独立を錦の御旗に中国全土に兵を進めていったのは事実であるので、やはり天皇制政府のほうが呼称として適切と思われる。

 私が問題としたいのは、この自虐的な評論家的な歴史観が党の綱領となることである。改定されたら新入党者はこの歴史観を歴史観を了承しないと入れないことになる。

 第2次世界大戦にいたるまでには日本政府は重大な間違いを繰り返したり、他国に迷惑をかけたのは事実である。しかし明治維新で産業革命をやりとげ、日本を経済的にも文化的にも先進国にしようとした先人には尊敬に値する。しかし惜しむべきことは、大正ロマン期の労働運動や社会主義者の一部を除いて、彼らの多くは人権の尊重という観念が希薄であったことだ。

 明治から大正期から昭和前期はイギリス、フランス、ロシア、アメリカもアフリカやアジアなどに侵略する帝国主義の時代であった。日本もそれを真似たにすぎない。幼稚な天皇制政府は日英同盟があることを利用して、イギリスやアメリカの黙認のなかで中国への侵略をはかることが、日本国の活路と考えてしまったと思う。

 確かに侵略したことは事実かもしれないが、評論家的に自虐的に述べるのではなく日本民族の誇りを持って前向きにとらえることが必要であろう。
 将来的には、この部分の歴史認識が変わるかもしれない。