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綱領改定討論欄

 この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。

マルクス、レーニンの国家論にたち帰ろう

2003/9/3 一老学生、60代以上

 綱領の改訂をめぐる議論を読んでいて抜け落ちていると思われるのは、社会科学、特に国家論の到達点である。マルクス、エンゲルス、レーニンの国家論は全くといっていいほど参照されていない。そのため天皇制、自衛隊、民主連合政府などすべて根幹は国家論であるのに、書いている論者の立場が不明確であるか、立場が論者それぞれによって異なっているように見えてしまう。このぶんだと、不破哲三氏とその追随者による勝手なマルクスやレーニンの解釈が一方的に横行することによって、綱領はいとも簡単に曲げられてしまいマルクスやレーニンの革命精神を失ってしまうだろう。
 私は若い頃にマルクス主義の文献に親しんで以来、共産党の発行物を出来るだけ手に入れて読んできたつもりだが、最近では年とともにマルクス、レーニンを語る人が減ってしまい、まるでマルクス、レーニンといえば不破氏の独占になったようにさえ見える。不破氏のいいかげんなマルクス、レーニン解釈を批判できる人はいなくなってしまったのではないか? 不破氏と彼の追随者の政策を批判することができても、彼の「理論」を批判できないようでは、不破氏の党内独裁もやむをえないというほかあるまい。
 不破氏の理論的特徴と思想的立場を理解するために最上でしかも手っ取り早い参考書はレーニンの「プロレタリア革命と背教者カウツキー」だと思う。誰でも気づいているとおり、綱領改訂の提案が不破氏から出ている今、私はすべての共産党員にこの論文を読むこと(読んだことのある人には、このさい再読してみること)を勧めたい。私はこの論文こそ不破氏が自分の同志たちに最も読んでほしくない論文ではないかと感じている。この論文に先立つ国家論が有名な「国家と革命」であり、その準備論文である「国家論ノート」である。不破氏は「国家と革命」をいかにも「読むに足らない本」であるかのように印象づけた書き方をし、最近ではさらに矛先をマルクスにも向けている。それは「国家と革命」がマルクスとエンゲルスの教えを系統的に整理してあるために必然的にそうなるのである。「プロレタリア革命と背教者カウツキー」を読めば、読者はレーニンが描くカウツキーから不破氏の国家論を分析する多くのヒントが得られるだろう。つまり、「レーニンによって不破を読む」ことができるだろう。
 読者はカウツキーとレーニンを比べて読みながら、カウツキーの位置に不破氏が立ち現れるのを痛感するにちがいない。