この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
1)
「文章の字面だけを読んだのでは、マルクスの意図を的確につかむ読み方はできない のです」p31
「これ(ゴータ綱領批判)がなんのために書かれた文章か、その性格と背景をきち んとつかむことが非常に重要です」との説明があり、意図はわかるのですが、行間を 読めといわれているような印象を受けます。無茶です。
2)
「こういう見方が根本的にあったからか、十月革命後のレーニンの論文や演説では、 社会主義と共産主義との区別にあまり系統的な注意を払われていないように、思われ ます。」p67
あれ、「ゴータ綱領批判」での未来社会論、つまり社会主義と共産主義の二段階発 展論をとらないというのが、不破さんの学説ではないのですか。意味不明です。
3)
「こういう理論で、共産主義の第一段階には国家が存続するという共産主義社会での 国家存続の理論を、かなり強引に展開するのです」p61
二段階発展論によると、国家死滅は共産主義の高い段階の話ではないのですか。
第一段階で国家死滅をうんぬんできるはずはないのですが。腑に落ちません。
結論:私は「マルクス主義=科学的社会主義=共産主義」は資本主義批判ということ
では、同じ概念だと思いますが、歴史上のいきさつがあり、語感がちがってきます。
未来社会論において、社会主義、共産主義に社会という言葉をくっつけると「社会
主義社会」「共産主義社会」となり、内容が違ってきます。これが二段階発展論のエッ
センスだと思います。
ついでにいうならば、レーニンの「国家資本主義論」、ブルジョアなきブルジョア
国家論は国家(国境)があることを前提にしたものであるといえるでしょう。
焦点がずれるので「国家資本主義論(日本株式会社)」についてはあまり述べない
ことにします。