この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
あなたの問題意識はちょっとずれているとしか私には思えません。
戦前の朝鮮人強制連行で責任を問われているのは日本国家であって、現在は存在しない戦前の「天皇制」ではありません。亡き昭和天皇の個人責任を問うというならまだしも、象徴天皇制や現在の昭仁天皇に責任を問うという議論は韓国・北朝鮮でもどの程度あるのか?
戦前の強制連行の責任について言えば、戦前の国家無答責の法理や除斥期間が問題となるわけですが、人道に反する国家犯罪にはそのような法理は適用されるべきでないということに尽きるでしょう。
なお、私は北朝鮮の拉致問題と強制連行問題をリンクして論じるべきでないと考えています。両者はともに「国家対国家」の問題ではなくて、「国家対民衆」の問題であって、被害者である民衆個々人から見れば一方で他方が相殺されるような問題ではないのです。つまり、どちらも人道に反する国家犯罪として別個に厳しく糾弾されるべきものです。
拉致に対する北朝鮮非難に対して強制連行を対置する議論は、逆に強制連行を拉致で相殺する議論と同じレベルの議論であって、まさに小泉と金正日が手打ちしようとした「国家の論理」そのものです。
その他の宮内庁や立憲君主制に関する反論に関しては、すでに私の書いたものをよくお読みください。ディベートにつきあうほど暇ではないので。