この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
前衛誌10月号では
「エルフルト綱領は未来社会での分配論での分配論にまったくふれなかったのです」p57
「こういう内容のエルフルト綱領を、エンゲルスは”マルクスによる批判が完全に功を奏した”と双手をあげて歓迎したのです。」p57
と、あります。
エルフルト綱領(1891年)では、
「これらの原則から出発して、ドイツ社会民主党は、さしあたりつぎのことを要求する」
として、10項目にわたって要求しています。その10番目には
「税によって支弁されなければならないかぎりでの、いっさいの公的支出をまかなうための、累進的な所得税および財産税。自己申告義務。遺産の大きさと親等に応じた累進的相続税。あらゆる間接税、関税、および、特権的な少数者の利益のために一般の利益を犠牲にするその他の経済政策上の措置の廃止。」
と書かれています。
これは未来社会の分配論ではないというのですか。
またエンゲルス著「エルフルト綱領批判」では、
「今度の草案はいままでの綱領とは相違して、非常にすぐれている」「ひどい残り物は根本的には除去されている」
としながらも、
「私の意見では、綱領はできるだけ簡潔で、かつできるだけ厳密でなければならない」
「わかりやすさへの気配りのために、あまり多くのことを犠牲にしてはならないし、わが国の労働者の精神的資質や教養の程度を過小評価してはならない」
として、修正意見や改善意見をのべています。
「双手をあげて歓迎した」とは少し事情がちがうようです。