この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
趣旨は理解できました。
◆以降に疑問点を述べます。
1.7条解散について
これについては、憲法規定の不備で解釈上の理解に議論のあるところですが、問題の本質は議院内閣制における内閣と議会の関係にあり、天皇制の問題とはいえません(天皇に実質的な解散決定権があるという解釈論はない)。
内閣の解散権を完全に否定する学説はないと思われますので、天皇制を廃止しても解散権は何らかの別の形で憲法上規定されるでしょう。
◆大日本帝国憲法体制下では、衆議院を解散できるのは天皇だけでした。
【第7条】天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会停会及び衆議院ノ解散ヲ命ス
内閣総理大臣の規定は旧憲法にはありません。
http://cgi.psn.ne.jp/~jhc-cebc/s-data/law/jp/old-ken.htm
「天皇制を廃止しても解散権は何らかの形で規定されるでしょう」ということですが、戦前にもなかった内閣の解散権は天皇制廃止後も、保持すべきでしょうか。
2.天皇のハンコについて
前にも書きましたが、宮内庁は内閣の下の機関であって、天皇の指揮命令を受ける関係にありません。
逆に、宮内庁が内閣の指揮の下に天皇の行為を統制する関係にあります。 御名御璽が内閣の「助言と承認」の下に使用されることはいうまでもありません。
要するに、天皇の公的行為はすべて内閣と宮内庁によって統制されていて、「極小化された権力」すら持っていないのです。
◆「宮内庁が内閣の指揮の下に天皇の行為を統制する関係にあります」ということですが、天皇の行為は宮内庁の統制が必要なほど強いということですか。
附記:不正使用の目的で御璽を作ってみました。
私は、御璽を偽造しましたが、使い方がわかりません。
ホンモノがどのようなもであるかは、三省堂版広辞林に載ってますので、すぐニセモノだとわかってしまいます。
志位さんが認証式にこだわるのも天皇のハンコがほしいからだと思います。
御璽に効力がないのなら、不正使用を刑法で規定しても意味がありません。