この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
天皇制問題について様々な意見が出されています。私は61年綱領におけるこの問題についての解明から考えてみたいと思います。
「綱領問題についての報告」(『前衛』145号95ページ)では天皇制問題について次のように述べています。
「今日の天皇は、...独自の支配的権能をもっていない。...支配機構としての絶対主義的天皇制は、解体され、ブルジョア的君主制の一種となった。」こうした認識のもとに61年綱領では「民族民主統一戦線政府は革命の政府となり、...君主制を廃止し、」(『前衛』187号107ページ)
この規定を読んで目につくことは、天皇制をどのようにして廃止するのかというプロセスについては一切の言及が無いことです。
この点について今回の綱領改定では、天皇についての問題は憲法上の制度であること、立憲君主制などブルジョア君主制の一種では無いこと、天皇問題の解決にあたっては、国民多数の意思によって憲法を改正することを通じておこなうと道筋をしめしました。
このことから共産党が参加する民主連合政府を樹立するにあたって、天皇問題をめぐる政策については協議の対象としないことが明確にされ、綱領からも削除されることになったのです。
私は天皇問題に関する議論の中で「綱領に掲げよ」「共産党は天皇を認めるのか?」の類いの主張をされる方についてそれでは、天皇問題はどのように解決するのか? 自民党政治を打破し、アメリカ帝国主義とそれに従属する日本独占資本の支配を打破するための広範な統一戦線を構築するにあたって、天皇問題についてどのような提起をし、合意形成をはかるのか? お伺いしたいと思います。