この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
せっかくのご指摘ですから、慎重に考慮させてもらいます。
さしあたりの感想は次のとおりです。
1.公的言論かどうかはその言論が不特定多数の公衆を受け手として発せられたかどうかによって決まるものであって、その言論が「公開討論」である以上、そのなされた場所が結社の内部討論用の雑誌かどうかは関係ないのではないか。
たとえば、学会誌や同人誌は投稿資格に会員や同人の制限があるが、外部に公開される雑誌ならば、その論評はどこで誰がしようと全くの自由であろう。
2.「実名をもっての批判以外、一般人に対して匿名による批判を行うことは、社会道義上から、更には厳格な法理解の観点上からも、厳しく自制をされるべきもの」という議論は、匿名言論の意義をあまりに狭く理解したものではないか。そのような理解では、このさざ波はもちろん、ヤフー掲示板その他、現在ネット上で行われているあらゆる匿名言論は成立しないだろう。匿名の批判に対しても当然反論は可能だし、名誉毀損に当たる言論には発言者を探知して法的措置をとることもできる。結局、匿名で批判を行うかどうかは、その言論の場所と言論の効果を考慮して発言者が選択するものというほかないのではないか。