この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
あなたは私が「ほとんどデマとしか思えない」といったことが、よほどお気に召さ
なかったようだ。それにしても、ねちねちとくどい返信である。あまりに感情的なの
で読んでいてうんざりする。私はあなたに個人的な私信を送ったわけではなく、公開
の掲示板上における討論として投稿したつもりなのだが。
しかも、私は「ほとんどデマとしか思えない」と書いた理由をあなたの挙げた論拠
に即して具体的に書いたつもりだが、あなたはその点については全く触れることなく、
何の判定権もないさざ波編集部に助け船を求めただけだ。ご自分の意見に自身がおあ
りなら、きちんと中身で反論すればよろしい。まして、どこの誰ともわからない「党
外の友人」の発言を持ち出すなどは、実につまらないディベート技術だ。
あなたの情緒的な長々しい投稿にあえて反論する気は起きないが、1点だけ簡単に コメントしておく。
>61年綱領では、
>この権力は、労働者、農民、勤労市民を中心とする人民の民主連合の性格をもち、 世界の平和と進歩の勢力と連帯して独立と民主主義の任務をなしとげ、独占資本の政 治的・経済的支配の復活を阻止し、君主制を廃止し、反動的国家機構を根本的に変革 して民主共和国をつくり、名実ともに国会を国の最高機関とする人民の民主主義国家 体制を確立する。
>と記されています。
あなたは「革命」と「革命の政府が遂行すべき課題」の区別もつかないようだ。革 命の政府の任務が民主主義の徹底である以上、その内容にかつての君主制の残滓であ る「天皇制」の廃止が含まれることは当然のことであるが、だからといって逆に民主 主義徹底の諸課題の一つが達成されればそれだけで「革命が成就した」などといえな いことは明らかである。
「革命」とは何か? それは「政治権力の根本的変革を中心とする社会の大変動」 であり、その核心は階級あるいは社会階層の間の権力の移動、つまり権力の問題が中 心問題なのである。だから、61年綱領は、「現在、日本の当面する革命は、アメリカ 帝国主義と日本の独占資本の支配――2つの敵に反対するあたらしい民主主義革命、 人民の民主主義革命である」と規定し、戦前のように「天皇制の廃止」を革命の課題 としていないのである。これは61年綱領の最も基本的な理解だと思うが。
そもそも共和制をとる国といえば、アメリカ、フランス、ドイツその他、要するに 君主制を廃止した国はすべて共和制なのであるが、これらの国はいうまでもなく独占 資本主義国家であって、61年綱領の意味で「革命が成就した」国などといえないこと は明らかではないか。理論的にいえば、日本においても、天皇の役割が低下して保守 勢力にとっての利用価値がなくなり、たとえば皇室がスキャンダルまみれになって国 民世論の支持を失うような事態が生じれば、現在の保守支配の下において天皇制廃止 が実現しないとも限るまい。そのときにあなたは「革命が成就した」というのだろう か?
このように革命の中心問題は権力の問題であるからこそ、「君主」の概念は支配権 力の帰属と結びつけて理解しておく必要があるのである。