この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
ついでに、あなたが2月4日付の投稿で犬丸氏の発言の中身に触れた部分についてもコメントしておきます。
>私(犬丸氏)は、非君主制説を採ることで、日の丸、君が代問題、教科書問題など、天皇制イデオロギーとの思想闘争が過小評価されるのを一番おそれるものである。(「公開討論」NO8,P7)
>つまり先生は、日の丸、君が代問題だけではなく、教科書問題など日本人の歴史認識の課題をも含む、平和や民主主義一般の広範な領域における天皇制イデオロギーとの思想闘争の必要が過小評価されてしまうことについての危惧を表明されているのであり、けっして「日の丸、君が代の強制」に「『天皇制廃止』を掲げて闘うべき」(demoさん流の読み方)などと、短絡的で矮小な主張はされていないと思うのですが?
さて、「非君主制説を採ること」が「天皇制イデオロギーとの思想闘争の必要が過小評価されてしまう」ことになぜつながるのか、あなたが私の理解が矮小化であるとして犬丸氏の発言を擁護されるのであれば、犬丸氏の発言の意味を具体的にわかりやすく説明してもらえませんか。
少なくとも、犬丸氏の発言が、
①日の丸・君が代問題が「天皇制イデオロギーとの思想闘争」の問題であり、かつ、
②それが今回の綱領改定(「非君主制説」)で「過小評価される」
という趣旨であることは明白です。
そうであれば彼のいう「天皇制イデオロギーとの思想闘争」とは「天皇は君主である」という主張(この主張はこの間の綱領論議では「天皇制廃止の立場を鮮明にすること」と直結しています)と密接に関わるものであり、この「思想闘争」を過小評価するなというわけだから、私のように理解しても何らおかしなことではないでしょう。「天皇は君主であり、天皇制はただちに廃止すべき」という思想闘争を過小評価せずにやれという意味なのだから。
ちなみに、私は、日の丸・君が代問題や教科書問題における「天皇制イデオロギーとの闘い」とは、戦前の天皇制国家によるアジア侵略と人民弾圧に対する評価の問題、すなわち戦前の「現人神君主」であった天皇制イデオロギーの問題が中心であって、戦後においてはこの戦前の天皇制イデオロギーを清算せずに天皇をあたかも「君主」であるかのように特別な存在として扱う思想傾向であると理解します。前者の戦前の天皇制イデオロギーについては今回の綱領改定では何の変更もされていません。後者の戦後の象徴天皇制の下での思想闘争とは、まさに憲法に反する天皇の君主扱いとの闘いにほかならないと考えます。例えば、君が代問題では、戦前の天皇制イデオロギー批判とともに、「天皇は主権在民の憲法下で君主ではないから『君が代』はおかしい」と教育現場では批判してきたのではなかったのでしょうか?
日の丸・君が代問題にせよ教科書問題にせよ、あなたの言う「他の平和や民主主義一般の広範な領域」にせよ、現在の象徴天皇を主権在民の憲法原則の立場から「君主でない」ということがなぜ「天皇制イデオロギーとの思想闘争を過小評価することになり」、「天皇は現在も君主である」といえばそうならないのか、犬丸氏の発言を私のように理解すべきないならどのように理解すべきなのか、きちんと説明してくださいな。