この討論欄は、第23回党大会に向けた、綱領改定案にかかわる問題を論じるコーナーです。
2004/2/4付、澄空さんの投稿を拝読致しました。そのなかで澄空さんは「天皇制問題や自衛隊問題については、新綱領は「国民の合意」だの「国民の総意」だのによって解決するという風に、その「プロセス」を明らかにしています。このように「プロセス」を明記することが本当に大切なことなら、綱領にかかげるすべての政策について「国民の合意」をうたう必要があろうと思うんですが、どうしたことか、たったの3つの政策にしか、その「プロセス」は明記されていません。」と述べられています。ここで留意しなくてはならないことは、今日の天皇制は憲法上の制度であるということです。天皇制をなくすには、議会で共産党を与党とする勢力が3分の2以上を占め、憲法改正を発議、可決し、そのうえで国民投票にかけて過半数以上の同意を得なければなりません。つまり、この問題の性質は、共産党が政権を握ったからといって、どうにかなるというものではないのです。この課題は国民の中で粘り強く合意を積み上げ、「天皇制は時代遅れだ」という国民の意識が圧倒的になったときに初めて政治日程のぼってくるものなのです。
だからといって、共産党がその間、黙って手を拱いていることはありません。天皇の元首化(これも憲法改正をう)、軍国主義復活のための利用など、時代を逆行させる策動とは断固として闘い、天皇に関する憲法上の規定を厳格に守らせつつ、天皇制についておおいに議論する努力をすることは大切です。
憲法上の規定を厳格に守らせる闘いをするということは、こうした反動勢力の策動を最も効果的に封じ込める手段になります。その場合、敵にたいしては「憲法の条項を厳格に守れ」といいながら、共産党が綱領において憲法改正を伴う「天皇制廃止」を掲げていることは道理にかないません。これでは国民の信頼を得られないと私は思います。
最後に「天皇制の概念規定は、その生い立ち、制度とその実態、国家や国政において果たしている役割、社会において果たしている役割やイデオロギー的影響等から導かれるものです。戦後の天皇制研究は、それこそさまざまな方面から行われてきました。それら一切合財を無視して、天皇制の規定を憲法の条文からのみ規定し、それを研究者や活動家に押しつけていいのでしょうか?」と澄空さんが述べておられる部分ですが、この点については党内外の人々がおおいに研究し、議論を重ねるべきではないでしょうか?共産党はそんな度量の狭い党ではありませんから、自由、かっ達にやればよいとおもいます。それではまた。