投稿する トップページ ヘルプ

「北朝鮮問題」討論欄

417へきるさんへ

2003/11/2 がんばれない共産党員、50代、労働者

 417へきるさん、始めまして。「がんばれない共産党員」です。
 私も詳しいことは分からないのですが、知っている事と、思っていることだけを発言します。だから間違っているかもしれません。そのつもりで聞いてください。

>宮地健一さんという人物についてご存知でしょうか

 宮地健一さんについては知りませんでした。早々ホームページを覗いてみましたが、非常に難解ですぐには理解できません。分かるには大変時間がかかると思います。この手の論文? は苦手なので読むのは一苦労しそうです。今は検証する時間は有りませんが。

>金正日による日本世論分断作戦はきわめて大きな成功を収めています。共産党を筆頭として「北朝鮮への社会主義的幻想」を持ち続ける左翼的月刊誌、週刊誌、一部マスコミ、ジャーナリストは、『拉致事件』解決のための具体的行動を何一つ起こそうとしてません。それどころか「強制連行などの保障としてはやく100億ドルを払うべき、現在の報道傾向は反北朝鮮キャンペーンであり誤っている。「社会主義国北朝鮮」を救えともう一つの左翼世論を形成しようとしています。

 この点に付いては、日本共産党ではなく、旧社会党系を含めた日本の左翼全体とその知識人に多く見られれる考えです。共産党は左翼の中でも北朝鮮問題については一番消極的対応をしいます。だから「強制連行などの保障としてはやく100億ドルを払うべき、現在の報道傾向は反北朝鮮キャンペーンであり誤っている。社会主義国北朝鮮を救え」という論調には全く立っていません。赤旗を見れば分かります。
 これらは「拉致などはない」と主張してきた人たちが、いまさら自分たちの過ちを認める訳には行かず、保身のために取上げている主張だと思います。だから「共産党を筆頭として」という宮地健一さんの主張は間違いです。明らかに憎しみがこもっているようですネ。

>2000.11.21赤旗 不破委員長、党大会の前に朝鮮総連と懇談{写真もあり}

 たしか、これは事実だと思います。がしかし、

>このことについて、日朝両党の友党関係の事実上の復活、表向きは朝鮮総連経由だが、日本で唯一北朝鮮とのパイプができた。
>・このことについてですが、事実でしょうか? それとも反共産党の立場から書かれた文章でしょうか?

 これは事実ではないと思います。パイプはありません。今もパイプがあるのは旧社会党系と自民党、外務省でしょう。なぜかと言うと、話が少し長くなりますが以下、思いつくまま答えていきます。

 朝鮮労働党と日本共産党は戦後ずっと友党でした。平壌に赤旗特派員を置いていた時代もあり、そのときは確かにパイプはありました。しかし、その後朝鮮総連を通じてチュチェ思想を日本の運動に持ち込もうとしたときから完全に関係を絶ちました。その後は何の関係も持っていませんし、金日成から金正日に権力が移るにしたがって人脈も全て切れてしまいました。
 ただ、共産党以外の諸団体(日朝協会や貿易関係社)や、知識人(和田春樹氏など)はまだまだ北朝鮮への思いを断ち切りませんでした。
 それなのになぜ、今ごろになって朝鮮総連との懇談をしたのかと首を傾げるような行動に出たのでしょう? 正直言って私も大変驚きました。
 馬鹿みたいな話ですが結論から先に言いますと、情勢判断を見誤っているからと言うことしか考えられないのです。だから、ここに日本共産党の大きな問題があるのだと思います。
 このことについて、元赤旗平壌特派員をしていたノンフィクション作家の萩原僚氏(現在も立派な党員、決して除名はされていません)に実際に聞いたところ、こんな事を言っていました。以下そのときの会話です。

 私「なぜ、中央は北朝鮮問題に取り組まないのか?」
 萩「中央にもいろんなのがいるんだヨ。私の考えに賛成しているのもおれば、頑強に反対するのもいる。だから私を除名しないのだろう」
 私「エエ! まだ除名されてないんですか、あそこまで書いて?」
 萩「まあ2・3回査問は受けたが向こうが止めろと言われればいつでも止めるが何も言ってこない。今も赤旗も取ってるし、党費も毎年払っていっるヨ」
 私「あの少ない印税から?」
 萩「だから少ししかはらってないんだ」
   ~ 笑い ~
 私「最近共産党は朝鮮総連と懇談しり党大会に招いたりしているようですが、どうしてなのか? 朝鮮総連の数々の悪事を知っているのと違いますか? それなのになんで今さら話し合うのか?」
 萩「共産党は今は完全に北との関係は切れている。たぶん朝鮮総連の方からお呼びが掛かったのだよ。社民党筋も落ち目で世論も厳しいので使えなくなったし、ここは昔の好しみで何とかパイプを作ろうとしたんとちがうかナ。共産党のほうも、国会で『話し合え、ルートを作れ』と言ってる手前、これをきっかけにのこのこ出かけていったんだヨ」
 私「そんな軽いもんですか? もっと深く考えないのですか? 拉致問題などで国民の世論は厳しくなっているのに?」
 萩「『そんなもん』なんだヨ。中央の幹部はあまり北朝鮮のことについて知らないんだよ。それぐらい関係を絶ってから勉強もしてないし関心も無いんだヨ」
 私「萩原さんのような北朝鮮スペシャリストを中央から放り出すんだから、当然か」
 萩「放り出されたんじゃなく、僕が出て行ったんだヨ」
   ~ 笑い ~

 以上のような会話だったんですが、中央委員会の幹部たちの雰囲気をつかんでもらえたでしょうか。

>・まわりの党員のかたはこのような考えかたの人ばかりでしようか? それともこの考え方と、反北朝鮮の考えの間でなやんでいるのでしょうか?
>・共産党の北朝鮮への態度が2000.11.21を境に変わっ たのですか?{この後、態度が友好的になったというようなこと がかいてあった。}

 まわりの党員も似たり寄ったりで、北朝鮮に付いてはほとんど知りませんでした。私自身も含めて、拉致問題をはじめ、帰国事業、過去の友党関係を知っている人は少ないのです。だから突然振って沸いたような最近の北朝鮮報道に戸惑い「またこれで反共攻撃されるのか、もううんざりだ!」というように受け止めているみたいですね。知らない、無関心ということはここまで鈍感にさせてしまうのでしょう。
 ただ党員の中でも北朝鮮の実態をそれなりに知っている人は悩んでいます。在日の友達がいる人、北朝鮮への運動をしてきた人、数ある北朝鮮本を読んでいる人などは、共産党の反応の鈍さや、訳の分からない政策に怒っていますが、ほんの一部分の人たちです。
 最近の筆坂問題や、拉致問題、兵本問題への対応を見ているとなんともトンチンカンな対応だとあきれてしまいます。なぜこんなことになってしまうのかと言うことですが、結局北朝鮮に付いて正確に把握していないところから来るように思えます。これは党の怠慢でしょう。

>投票するのに悩んでいるからです。選挙区は、横路さんや、大橋巨泉さんと、一緒に有事法案に反対した民主党の議員にいれます。
>{このような人と協力しないでどうするのですか?代々木のみなさん}比例区です。民主党に入れる気はないです。しかし共産党の北朝鮮の対応にもいい気はしません。白票を投じるべきか、目をつぶり共産党にいれるべきかなやんでいるからです。共産党がハッキリした対応をしないのが困ったものです。朝鮮総連との関係については違和感を感じるがどうなのでしょう。

 お悩みの気持ちは分かります。小泉を選ぶか民主党を選ぶか二者選択しかなければ民主党に入れるのも仕方の無いことだと思いますが、いくら「有事法案に反対した民主党の議員」だからと言っても、もし民主党が政権をとっても「イラク特措法」に賛成しているのだから、今回のイラク派兵はするでしょう。
 民主党は呉越同舟、右翼から左翼(旧社会党系の北朝鮮シンパ)までいます。この党でどんな北朝鮮政策が実行できるのでしょうかね、それも疑問です。今は選挙目当てでいい格好を言っているが、腰砕けになるのは明らかでしょう。さもなければまた分裂するしかありません。
 北朝鮮に腐れ縁(金権がらみ)の無い政党は過去に大喧嘩をした日本共産党だけというのも事実でしょう。その共産党がお人よしの坊ちゃんみたいに上っ面だけで北朝鮮問題を取上げているのだと思います。悲しいことです。

>いつから北朝鮮に対して敵対するのをやめたのでしょう? 北朝鮮を擁護する人の意見に違和感を感じるし、あのとき朝鮮高校の生徒を呼ぶのに反対した人に会いたい、あの時、党や民青の指示で反対したのですか? いまならよんでいいのですか? 党の北朝鮮の態度は正しいのですか? もし会えたら聞いてみたい。

 知らない間に徐々に変わっていったんだと思います。真実を見ようとしなくなったときから。彼らの多くは北朝鮮の現実を知れば(認めれば)政策は大きく変わるでしょう。

 しかしこれがまた大変なことなのです。この問題はお隣の韓国ではもっと深刻です。軍事独裁政権と戦った韓国左翼学生・労働者の多くは親北朝鮮・親金正日・親金日成の色眼鏡が外せないのです。
 現在韓国の政・財・官・教育界のリーダーの多くはこのとき戦った闘士たちですし、金大中、ノ・ムヒョン政権もその流れに有ります。彼らには北朝鮮の現実が全く目に入っていないのです。もし北朝鮮の悪口を言おうものなら「おまえはアメリカの回し者か」と言われそうな雰囲気です。
 かれらは完全に北朝鮮を見誤っています。第1に反米、第2に反日、第3に親中国、そして親北朝鮮なのです。いくらその事実を突きつけても「それはアメリカの陰謀だ」としか言いません。その結果、韓国の拉致被害者や脱北者は非常に冷たい目で見られ、差別さえされています。

 一度信じてしまった思い込みはそう簡単には変わらないのです。それを認めるには相当苦痛が伴うことなのです。わたしの周りの共産党員たちも程度の差こそあれ全く同じ現象だと思います。