ウナギ犬さんお久しぶりです。
飢餓の時期、北朝鮮人民は生き延びるために北へ北へと逃亡をし、その数は数百万人にも及びました。それを阻止し食い止めたのは北朝鮮の軍隊であり、中国政府です。
中国国境の延吉(ヨンギル=旧満州)方面には100万人近くの朝鮮族が住む地域ですがここには30万人の北朝鮮難民が中国政府の取締りを逃れて隠れ住んでいると言います。(詳しい数字は分かりませんが、いくら少なく見積もっても10万から20万人は居るということです)
中国政府はこの難民たちを徹底的に取り締まり、毎週北に送り返しています。当初はほとんど処刑したり、強制収用所送りにしていたのがあまりにその数が多すぎ、通常の刑務所のような施設に送り込まれています。そして罪の軽い者から次々に釈放されています。この人たちの多くはまた再び国境を越え中国に潜入しているのです。
ここで面白いのは、北朝鮮側の中国国境付近は首都平壌から見ると全くの辺境の地であり、左遷された幹部や反金勢力や在日家族が多く集められていたと言うことです。金王朝による大飢餓の犠牲が一番少なかったのが成分の一番低い在日や反金勢力の家族たちだったようです。そして、体制に忠実な真面目な庶民が最大の被害をこうむったということです。
また金王朝の甘い汁を吸っている幹部たちは外国の情報にも通じています。日本製のテレビ、冷蔵庫、掃除機にクーラーとベンツを乗り回しているのです。もし、金正日体制が崩壊すれば自分たちはどう生き抜いていけばいいのかを心得ていますし、トンズラの準備も着々と準備しています。
ここでハッキリしていることは全ての在日帰国者(10万+その家族たち)は、金日成に騙されたと思っていることです。現在日本に帰っている脱北者のほとんどが当時、夜中布団に隠れて韓国や日本のラジオ放送を聞いていたと言っていました。自分の家族には暗黙のうちにこの体制を信じるなということを伝えてきたようです。だから、在日帰国者の子供たちのほとんどが日本語を話せるし理解もしています。もしそのことが当局にばれれば収容所送りになることが分かっていてもそうせずには居られなかったのです。
飢餓を境に北朝鮮の人々は金王朝を信じなくなったと思います。今までとにかく言うことを聞いてさえいれば配給があり生きていけたのです。しかし、いくら神のように信じていても配給の無い神をだれが信じますか。すでに多くの人民は気付き始めているのです。世界の情報も徐々に入ってきているのです。もう情報封鎖は出来ないようになってきているというのが現在の情勢です。
それでも決して金正日政権打倒の勢力は現れないのです。それは徹底した密告制度の勢でしょう。自分の妻や夫も自分の子供や親を守るためには裏切ると言うことは日常茶飯事に行われているとのことです。反逆がバレると親子三代にわたって滅ぼされるのですから。これはまさに封建制度です。
ウナギ犬さんの危惧されていることは良く分かりますが、ほとんどの援助は金正日政権を延命させ、国民を苦しめるだけです。あの大飢餓の時代、もう少しで軍隊のクーデターも起こりかねないようなところまで切羽詰っていたのです。沢山の軍幹部、エリートたちの亡命もこの時期に集中しました。まさにそのときに敵に塩を送ったのだと思います。