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「北朝鮮問題」討論欄

RE:政権交代・総連について・ウナギ犬さんへ

2003/11/17 曙光のきざし、40代、失業者

 ウナギ犬さん、投稿ありがとうございます。北朝鮮問題は、主題別投稿欄にまとめられていたのですね。迂闊でした。
 さて、私もご投稿頂いた主旨に賛成です。
 総連についても、人権擁護の活動については大賛成です。
 只、現在の総連の活動を、人権活動と非合法な活動に分けることができるかどうかについては懐疑的です。
 李英和氏の「朝鮮総連と収容所共和国・小学館文庫」を読めば解るのですが、総連は、90年代においても暴力行為を働く組織だったようです。
 一般的に組織自体、年数を重ねると既得権が発生し、本来の目的を逸脱し組織存続のみを目的とするように変質しやすいのは、企業・官僚組織を見ても明らかです。これは、組織自体が抱える矛盾として、ある種仕方が無いのかもしれません。
 しかし、総連の場合、本国の完全な影響下にあり、帰国者への送金・帰国者の消息など在日の人々の親族への想いを担保として、ある種特権的権力基盤を形成したのも事実だと思います。
 そしてその中で、特権的立場(北朝鮮帰国親族への待遇・日本でのビジネス上の権益)を確保した一部の勢力が伸張し、運動を牛耳っているのも事実だと考えます。その中で、総連という組織が内部から改善されていくかどうか、現状では懐疑的にならざるを得ません。

 例としては、95年頃北朝鮮との空路の開設が企図された時、総連が強硬に反対したことを挙げたいと思います。その件では、北朝鮮本国の空路開設の意志が有るのに拘わらず総連が妨害に動いたようです。これなどは、万景望号を権益とする組織優先の発露だと思います。
 マダム朴という韓国系米国人が、北朝鮮本国による承認を得て日朝の空路開設に動いたにもかかわらず総連はそのプロジェクトに反対したものです。
 しかし、一方では良識有る在日の人々による組織の改善に期待したいのです。私見ですが、在日も3世4世の時代になってきた今、新たな知見が必要だと考えます。

 さて、朝銀の問題を述べます。朝銀は、独立した地域金融機関が全国に点在しているというのが建前でした。しかし、実態では理事長に元朝鮮学校校長等が就任していた事実もあるようです。一般的には、金融機関の経営者は当然金融に関して専門知識が必要とされる筈です。
 又、経営トップが各地方朝銀を移動したり、実態は総連を司令塔とする傘下企業という色彩が濃厚だったと思われます。
 一部報道で言われているのは、これら朝銀が総連の指示の下、不正融資により資金捻出を行い、本国への上納金としたのでは無いか、という疑惑です。
 方法としては、まず朝銀職員や商工人 仮にAさんとして、Aさん名義で3億円の融資を行います。
 その場合、無担保なら幾ら何でも行政検査により問題が発覚するので傘下企業や朝鮮学校の不動産に担保を3億円設定します。勿論、不動産評価額は高めの評価です。そして、融資金はロンダリングの上、上納金として費消します。
 そして利息分については、融資を行い正常な融資を粉飾します。
 続いて、何年か経過した後、当該債権を不良債権とします。まず、担保不動産を競売にかけます。担保不動産の価格は、不動産鑑定士の鑑定価格で5千万円とします。そして、この不動産を傘下企業が5千万円で購入します。これで、担保不動産の所有権も他人に渡ることなく不良債権の処理が完成します。
 不良債権の額は、最初融資した金額と不動産競売になった金額の差額です。従って2億4500万円と利息分がおおよその不良債権額です。
 あるいは、競売の手続きを省略して債権放棄を行い不動産担保を抹消してしまうのです。
 さて、この確定した不良債権は本来なら朝銀の利益から充当されるべきものです。それ自体、一企業として行動するなら、実損は本来は利息ないし出資配当金としてもらえるべきはずだった一般組合員の損であった訳ですが、朝銀破綻によりそこに税金が投入されたとなると、問題は違ってきます。 この不良債権の資金負担は日本国民が行ったことになり、日本国民から北朝鮮へ資金を贈与したというおかしな結論になるのではないかという疑惑です。
 あるいは、容易に想像できるのは商工人に融資を行う際に、献金を条件とするなどの方法です。

 さて以上の経緯があったとして、不良債権はRCC(整理回収機構)へ譲渡されたのだから、そこですべての事が白日の下に晒されるのではないか、と言うのが一般の期待だと思われますが、それがそうでも無いのです。
 過日の報道で、RCCが開設以来始めての赤字になったという報道がなされておりました。
 実は、RCCは政府が設立に関与した機関ですが、実態は民間会社であり、買い取った不良債権の売却によって利益を得る目的の会社です。従って、回収の容易な債権を優先して処理するでしょうし、目的が不正の摘発でないことから商法時効にかかるような古い問題については不問に付される可能性が高いと思われます。
 すなわち、先ほどの例では、借入をしたAさんに資力が無ければ裁判費用などかけても回収ができないので、手を付けない処理とする筈です。
 従って、不正の追及には報道ないしNGO等の民間団体の調査追求以外に無いのが現状だと思います。

 勿論、どのような事例にしろ零細金融機関の破綻などあってはならないことです。実態は、零細な預金者がその経営を支えており、金融機関の破綻は即地域の生活者の預金カットにつながり地域経済に深刻な影響を与えるからです。従って、金融機関は独立した経営を維持し、公正な運営で零細預金者への責任を果たすのが使命ですが、そこに総連の意志が及んでいるとすれば、またまた、不正工作と破綻が繰り返される可能性を捨て去ることができません。
 しかし、実際には地域・民族金融機関として濃密な人間関係の中で、独立した事業体として運営していくのは、非常な困難を伴うことだと推察します。従って、今後朝銀が独立した金融機関として総連の指導下から脱却することが在日社会としても喫緊の課題だと思われます。(ペイオフ解禁が迫っています。)

 最後に、北朝鮮の市民が情報が無い為洗脳状態にあるか、無いかについて意見を述べたいと思います。
 私の意見としては、彼らは覚醒していると思います。というか、最初から洗脳などされていなかったと考えます。
 誤解を恐れず言えば、戦後北朝鮮の経済生活は悪化の一途だったと思います。それは、戦後直後にも、日帝支配時代の方がましだったと言う認識は庶民の間にあったと思いますし、その後の帰国者からの日本の様子、韓国の様子は確実に情報として庶民に浸透していると思います。
 中国国境の街では、明らかに川向こうの都市の繁栄を目にすることができるのですから、金体制が如何に無能な政権かの認識は十分持っている筈です。
 では、何故体制変革ができないか、そこが独裁政権の肝要だと思います。