林 恵子ヌナニム、アンニョンハシムニカ
(私のお姉様、こんにちは)
*私のような世代の在日韓国・朝鮮人は親しい人(同胞)に、このように肉親(実 の姉に対する言葉)として表現をする場合があります。
思いはひとつ。
私のオモニ(母、在日一世)は赤ん坊の時に日本に祖父、祖母、兄弟姉妹と共に渡っ てきました。(アボジ・父は幼年時、死去)
戦前は、工事現場の飯場などにもいた関係、強制連行されてきた中国人の方達の話 を折にふれ、昔の思い出として私にも語り伝えます。
勿論、あくまでもオモニの話であり、検証することはできませんが、そのような時 代でも抑圧された両民族の交流が厳しい中でもささやかにあったことが私には想像さ れます。
飯場の脇に植えてあったニンニクを集団の中国人の方がたが母国を思い、生のまま 食していたことを、また、在日朝鮮人も同じ境遇であった中国の方がたへの共感、連 帯もあり、ニンニクを隠れて勧めた経緯もあったようです。
私の青年時代も在日朝鮮人同士の結婚式には、時に在日華僑の方々が行っていた料 理店・宴会場を利用して行っていたことを今思い出します。
その時強く印象に残っていることの一つに、非常にうまい朝鮮語を在日華僑の方が 使っておられたことに非常におどろき、感心を持ったことです。
当時は日本の社会での朝鮮語、韓国語の使用が差別の対象であったことが、逆に、 そのような中国の方がたへの私の素朴な尊敬と信頼感につながってきたと思います。
いま時折、アジアからの留学生の方がたと食事をともにすることもあります。中国 の方がたもおります。
アジアはひとつ、そして世界はひとつ
林 恵子ヌナニム、お体を大切にされ、いつまでも健康でありますように、願って おります。
また、お会いできる日を強く願っております。
ナンドンセン キム・ググン トゥリンニダ
(弟、キム・ググンが(ご返事を)差し上げます)