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「北朝鮮問題」討論欄

金国雄様、democrat様へ

2003/12/1 S.K、40代、自営業

金国雄様

 早速の返信をいただき、ありがとうございました。
 逆に質問をされてしまったので、私の考えをお答えいたします。「北朝鮮の人権問題」についての私の個人的立場は明確です。

 私は、ご紹介いただいたフランス共産党の見解同様、社会主義とは無縁な金正日独裁体制の下で行われている、強制収容所政策や拉致などの数々の人権抑圧の蛮行を一刻も早く止めさせたいと考えております。
 そしてより根本的には、今後の世界の共産主義運動の前進のためにも障害である、世襲制社会主義?なる珍妙な北朝鮮の体制が、早期に平和的に終結することを願っています。

 ただし、私は経済制裁には反対です。またその逆に、現体制の継続を前提とした上での政府間「援助」にも、現在のところ反対です。詳しくは、あらためてやや長文のものでお答えしたいと思いますので、暫くご容赦くださいますようお願いいたします。

 なお、私もまた、「国家の論理」より人権(=人間)を根本に置く、「真の左派」でありたいと思っております。
 以後よろしくお願いいたします。

democrat様

 早速お応えくださいまして、ありがとうございました。
 「人権問題と内政不干渉原則」、「在日外国人の参政権」問題の2点について、基本的に私と同じ結論ですネ。安心しました。demoさんの「国家の論理」より人権の論理を優先する考え方も、全面的に賛同いたします。この考え方は「がんばれない」さんの主張にも重なるものだと思います。

 しかし、であるならば、私たちには、もっと考えるべきこと、主張すべきことがあるのではないでしょうか?
 demoさんは党の現在の対応をどうご覧になっていますか?
 お二人の金さんの発言は、我々日本の左翼を全体としても、その構成員一人一人についても、厳しく問うているのではないでしょうか?

 戦後賠償を政府間「援助」にすり替えた9.17小泉外交への党の評価は、今考えてみれば、「人権」観点の不在を二重三重に証明したものだったと思います(日韓条約締結時の党の対応を想起のこと。また、政府間「援助」に比して北朝鮮人民の救済・支援に有効といわれている民間援助についても党は無知・無策を指摘されています)。

 国際問題である北朝鮮の核疑惑や「国益」(!?)である拉致(国家主権の侵害!)問題については批判をしても、「帰国事業」の総括や北朝鮮に「帰国」した元在日と日本人妻達の窮状について、党は何をやってきたというのでしょうか?
 中・朝国境地域での中国政府の脱北者への対応についても、党間関係を回復した中国共産党に対し、どのような対応をとったというのでしょうか?(市場経済について机上論の講釈をするヒマはあってもです。)
 まさに、科学的社会主義における「内政不干渉」原則や「民族自決権」擁護の命題と「人権」、「国際主義」の関係が問われているのだと思います。わが党のこの間の行動は、前者を口実として後者を等閑視してきたのではないのか、と強く疑問に思います。
 これでは「がんばれない」さんならずとも、いくらかでも事情を知る誠実な党員は、皆、「悶々」としてしまうのは当然です。早急な方針の見直しが求められます。

 そこでdemocratさんに再度お願いいたします。

 それは、単に一人の進歩的・良心的な法曹人として、直接的な思想や態度を表明して事足れりとするのではではなく、科学的社会主義の理論と実践に責任を負う、大いなる党の一員としての責任あるお立場から、問題を更に一歩深めていただきたいと思うのです。マルクス主義法学とでもいう立場から。
 いかがでしょうか? 

 ご多忙とは思いますが、よろしくお願いいたします。
 もちろん私も更に勉強してみるつもりです。

追伸:『日本共産党資料館』所蔵の戦後初期の党「綱領」「規約」を見ると、戦前から党が掲げていた「人民主権」「主権在民」が、6回大会前後で「国民主権」に矮小化されたように思えます。そしてそれに伴い、それ以前の「定住、資産、民族(または国籍)のいかんにかかわらず」であった参政権要求も引き下げられているようです(当然、「規約」における党員の国籍要件も日本籍であるととして追加されています)。
 戦前の方が、現在より進んでいたようですネ。憲法学会で在日への被選挙権も含む参政権の全面付与が「進歩派」においてさえも少数派であることを考慮すれば、金天空さんの提起した科学的社会主義と日本国憲法の関連問題も明快な解明が求められているように思うのですが?