天邪鬼様、皆様、こんばんは。
「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(以後、「守る会」と 略称)による質問状、「北朝鮮人権問題と帰国者の救援」(10月 17日)への日本共産党の回答文を紹介します。(会報「かるめぎ 」No.53 2003. 11.17)
先ほど「守る会」HPを確認(12月8日PM9:55)しま したが、まだ載っておりませんので、スキャナで読み取り打ち込 みましたので誤字脱字の節には、お許しのほどをお願致します。 なお、後に「守る会」HPでの確認をお願致します。
http://homepage1.nifty.com/northkorea/index.htm
また、<会報「かるめぎ」No.53 2003. 11.17>によれば、 各政党の回答は到着順に掲載、11月13日現在、公明党からは未回 答とのことです。
◆【訂正】
「Re:有事法は北朝鮮侵略戦争のためのものです 2003/12/5
金 国雄」での投稿文中
『先ほど(26日pm)、歴史の勉強会より帰宅しました。』
とありますが、
『先ほど(26日am)、歴史の勉強会より帰宅しました。』
と訂正します。
訪韓のため、しばらく投稿をお休みさせていただきます。
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北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 御中
2003年10月24日
日本共産党
「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」からの質問への回答
1-1.政治犯収容所に代表される北朝鮮の人権問題についてど のような認識を持ち、どのように判断されていますか。
今年の4月15日に第59回国連人権委で採択された北朝鮮の人
権状況に関する決議では、(a)拷問、残酷非道な扱いや刑罰、
公開処刑、政治的理由による死刑、多数の収容所の存在、強制労
働(b)思考・判断・信教・意見・表現・平和的集会・結社の自
由、惰報へのアクセスの自由に対する厳しい制限、国内での自由
な往来・海外旅行の自由に対する制約(c)障害児に対する虐待
・差別(d)女性の人権および女性の基本的自由に対する継続的
な侵害など「北朝鮮国内における組織的かつ広範で深刻な人権侵
害に関する報告」が同委に提出されたことに対して「深い懸念」
を表明しています。日本共産党は、この懸念に共感します。
国連人権委の決議はまた、「提出されたこれら報告の真偽を計
るため、国際社会が独自に調査できるよう北朝鮮当局が必要な状
況を設けてこなかったことに遺憾の意を表」しています。国際社
会が独自に、この問題を明白な事実によって裏付けることは、問
題の解決のために必要であり、重要です。北朝鮮が、事実上それ
を妨げていること自体が問題です。
同時に、いわゆる脱北者や亡命者などの数多くの証言や著作で
は、北朝鮮の非人道的な人権状況が生々しく語られています。日
本人拉致事件をはじめ1980年代のラングーン事件、日本漁船銃撃
事件、大韓航空機爆破事件などの北朝鮮による国際的無法行為の
非人道的で野蛮な実態を見ると、そうした無法行為は対外的なも
のだけではなかったのではないかという懸念が、ますます深まり
ます。
1-2.1-1の認織のもとに、その人権問題に対して貴党はど のように対応し、どんな努力をしてこられましたか。また、貴党 は今後どのように対処すべきとお考えですか。貴党の政策をお聞 かせください。
昨年9月の日朝首脳会談の際に北朝鮮は、日本人拉致問題につ
いて、ともかくもその犯罪の一定の事実を認め、不十分ながら謝
罪しました。わが党は、この事実に注目しています。これは、拉
致についてはいっさいを認めなかったというそれまでの態度から
の転換であり、北朝鮮による数々の無法行為の中で、事実を認め、
謝罪をしたという、きわめてまれな例であったためです。
国際社会は、北朝鮮のこうした態度の転換に留意し、さらに進
めて、同国が拉致問題の全面的解決をおこなうように促すととも
に、北朝鮮国内の人権問題を含めて、これまでの無法行為全体の
清算をおこなうよう、北朝鮮に働きかけるべきだと考えます。
これによって、北朝鮮国内の人権問題についても、国際問題と
して国際社会が対応することが可能となります。
北朝鮮の人権問題改善について同国が、関連する国際条約の順
守、情報の公開、海外に移動した住民に対する人道的な配慮と処
遇、人権に関する分野での国際機関との協カ--などを誠実に履
行するように促すことが必要です。国際社会の責任ある一員であ
れば当然の行為であるこうした措置を北朝鮮がおこなうことによ
ってこそ、同国の平和と安全も真に保障されることを、国際社会
が北朝鮮に対して道理をもって説く必要があります。
80年代に北朝鮮による一連の国際的無法行為が明らかになった
際、日本共産党はこれを厳しく批判しました。この批判に対して
北朝鮮は、わが党を全面的に中傷し、公然とわが党指導部の打倒
をよびかける論文を発表するなどの野蛮な攻撃を加えました。わ
が党はこうした攻撃に対して断固として反撃し、以来、北朝鮮と
の関係は断絶しています。
こういう状況のもとで、北朝鮮の国内問題に対して、日本共産
党が直接対応する条件はこれまでありませんでした。
2-1.帰国者は、一部の人を除いて、一時帰国すら実現してい
ません。また、日本の家族が北朝鮮を訪問することも、北朝鮮政
府の実利的判断で厳しく制約されています。
帰国者や日本の家族が日本と北朝鮮の間を、日米間のように、
基本的に自由に行き来できる自由往来の実現や、日本に戻ること
を希望する帰国者の再入国を認め、在留許可を与えることについ
て、どのようにお考えですか。
自由往来の実現は当然のことです。また、日本に戻ることを希 望する「帰国者」については、在留特別許可制度を活用するなど して法的地位の安定を図り、できるかぎり希望にそうように配慮 すべきだと考えます。
2-2.自由往来や帰国者の再入国と在留について、貴党として は、どのような政策を提示されますか。具体的にご回答ください。
自由往来は、両国の国交正常化が基本になると思います。もち
ろん、それ以前の段階でも、北朝鮮に対して人道的な対応を求め
ると同時に、日朝間の人的・経済的な交流を活発にすることで、
実質的に自由往来を実現させる努カがおこなわれるべきだと考え
ます。
日本は「政治的亡命」を希望する難民の受け入れについて、認
定者数が欧米と比べても著しく少ないのが現実です。また、在外
公館ではこれまで、難民を一切受けつけてきませんでした。「帰
国者」の受け入れとともに、さらに広く難民に対する日本の受け
入れ体制を人道的に見直すべきです。具体的には、難民認定の手
続について、その公正を担保し難民の人権を保障するため、認定
のための第三者機関を設置することや、手続への弁護士の関与、
不服申立手続の整備など「出入国管理及び難民認定法」を改正す
ることが必要です。
3-1.北朝鮮から中国に逃れた脱北者は、いまだに国際的な難
民認定を受けておらず、日々強制送還の恐怖におぴえています。
脱北者たちは、生命の安全と人間らしく生きたいという当然の願
いから、中国に逃れることに望みを託してきた人たちであると、
私たちは考えています。
貴党は脱北者を難民と認定するべきとお考えですか、それとも
難民に相当しないとお考えですか。理由を含めてお答えください。
脱北者が北朝鮮を出国する理由には、さまざまな場合が想定さ
れます。したがって、脱北者が難民条約でいう難民に該当するか
どうかは、個別に判断されなければならないでしょう。ただし、
条約上の難民として認定されない場合でも、たとえば、飢餓や貧
困、戦禍や政治的混乱を避けて出国した者であっても、庇護を求
められた国が人道上の配慮をもって、場合によっては難民に準じ
て対応すべきことはいうまでもありません。
たとえば、日本が99年に批准した拷問等禁止条約の第3条は、「拷問を受ける危険があると信じるに足りる実質的な理由がある
国への追放・送還の禁止」をうたっています。この条項に基づく
保護は、対象は難民ではありませんが、難民の保護に類似したも
のと考えることができます。
3-2.脱北者はさらに増加すると考えられますが、中国国内で は女性脱北者の人身売買が横行し、また脱北者のつらい境遇に付 け入って大金を得ようとする悪質な脱北ビジネスが成立していま す。そのような境遇にある10万人を超えるといわれる脱北者の救 援について、貴党はどのようなご意見をお持ちですか、日本とし てどのような役割をはたすべきとお考えですか。できるだけ具体 的にご回答ください。
当面の問題としては、中国、あるいは北朝鮮の関係する機関が
人道的に対応し、悲劇を生まないように対処されるべきでしょう。
さらに、根本的には、北朝鮮の住民が自国を出なければならない、
おおもとの原因が取り除かれる必要があります。
北朝鮮の人権状況についての国際社会の対応については前述し
ました。人道上の問題でもある食糧危機については、適切な援助
がおこなわれるべきです。日本もそれらに積極的にかかわること
が求められます。
いずれにしても、関係国や国際機関、さらにはNGOなどとの緊
密な連携なしにはなしえないことであり、それらを総合的に推進
する、真の意味での日本外交の力が問われる問題であると考えま
す。
4-1.脱北者の中には、帰国者も含まれており、そのほとんど は家族・親族がいる故郷日本への亡命を求めているのが実情です。 貴党はそれらの脱北者の日本受け入れに賛成ですか、反対ですか。 理由を明示して、お考えを明確にお示しください。賛否を保留さ れる場合も、その理由をお示しください。
賛成です。脱北者にかぎらず、日本に保護を求めてきた人々に たいしては、基本的にそれを受け入れるという姿勢のもとで対応 することが必要だと考えます。
4-2.4-1の日本受け入れに賛成される場合、日本入国後の 生活支援の制度整備について、どのようなお考えですか。具体的 にお答えください。
難民、あるいはそれに準ずるものとして認定されるまでの期間 を含め、日本社会に定着するための生活支援が必要だと考えます。 日本以外の先進資本主義国の多くでは、難民または申請者たち が到着してすぐの最も大切な時期に、シェルター、医療、食事、 また言語訓練などのサービスを提供しています。日本でも、公的 機関がこれらのサービスを提供するような制度的整備が必要です。ロ
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それでは失礼致します。
金 国雄(キム・ググン)拝