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「北朝鮮問題」討論欄

がんばれない共産党員さまへ

2003/12/15 天邪鬼、60代以上、自由業

 がんばれない共産党員さま、私はあなたの投稿をこれまで共感しながら読んでいま した。
 しかしキム様に対する投稿を読んで首を横に振らないわけにはいけませんでした。 ただ、あなたのこの一文をもってあなたへの評価は同じです。
 以下ご検討ください。ただしキム様の今回の投稿全文にわたれば論点をぼかします ので拉致問題に限って書きます。
 問題にしているのはキム様の反論予想にあたって、「戦前の日本国家が行った朝鮮 人強制連行を引き合いに出すな」と封じていることです。一方はいいたい放題で、相 手の論には制限をつけ「お前の反論をここからここまでにせよ」と言うのは強圧的で すしそこから生まれる論争は不毛のものになるか屈服をを強いるものにならません。
 「キムさんの両親とかおじいさん、おばあさんの誰かが拉致されたと考えたら分か るでしょう」(あなたの文章を正確に引用していないので大意ですが)との事だが、 問題はここです。
 キムさんについては知りませんが、在日朝鮮人の多くは強制連行されて炭鉱や土木 で奴隷労働させられてきた人たちとその孫、子です。その他の人々の多くは日本の朝 鮮植民地支配のため土地を奪われ生きるために裸同然で宗主国日本に渡ってきた人た ちの孫、子です。時代が違うというのはこちらの言い分です。われわれがあの時代の ことを不問にせよと卑劣なことをいうならば彼らにとって過去は現実に蘇りますりま す。強制連行と拉致が密着syるのです。そうすれば「恨」ははるかに韓国人、朝鮮人 に深くあることが分からないでしょうか。古傷を生傷に変えないでしょうか。そのよ うにすれば私達と在日朝鮮人との間に玄界灘よりも深い海峡ができないでしょうか。
 華僑についてもいえます。中国は昔は清国と呼ばれていました。対イギリスとのア ヘン戦争や日清戦争で中国は莫大な賠償金を課せられ中国人民は貧窮の中に陥れられ て、多くの中国人が本国で生きられなくなって世界中になんとか生きていける国を求 めました。華僑 が世界中にいるということは革命前の中国がいかに帝国主義の餌食 にされたかをあらわしています。日本にも華僑の人たちが沢山いますが親の代にはそ のような事情で日本に渡ってきたのです。
 今も多くのアジア人が日本に渡ってきています。その中で多くの人々が言葉も知ら ぬ異国で一生懸命働いて何とか生活できるようになり定住するようになっています。 しかしこの人たちを取り巻いているのは相も変らぬ差別です。失礼ですがあなたの言 葉にも差別が含まれているのを在日の方はすでに感じているでしょう。言葉の端くれ でなく論理が差別なのです。
 過去のことは言うな。お前らの強制連行についてだけ答えよ、それは尊大な抑圧民 族の潜在意識からくる言葉です。「質問にだけ答えろ」これは権力の使う言葉です。
 キムさんのハルモ二もまた強制連行された夫を慕ってこの日本に住み着いたのかも しれません。
 拉致と強制連行、言葉は違うがその被害を受ける内容は同じです。国家権力による 堂々とした拉致を連行と呼びます。在日のかたがたの多くは日本国家に拉致された本 人か、その子孫です。
「あなたの親が拉致されたとしたら。」
「としたら.....」ではなく、拉致されたのです。それも120万人もの在日の親達が! こんなことを強く言えるのは私が日本人だからです。在日朝鮮人は排外主義に取り巻 かれて物も言えない状況だということが想像できなくてはいけません。彼らはもっと もっと激しくいいたいでしょう。お前らは朝鮮民族に何をしてきたのだと。そして今 は何をしこれから何をしようとしているのだと。戦前は35年間植民地支配をし.戦 後派韓国に対しては経済支配をして超え太り北朝鮮に対しては米帝と共に軍事重圧下 におき、明日からは占領支配しようとしている。
 私は何度も何度も口がすっぱくなるほどこのことを書いています。どうして日本人 は都合のよいことを覚えていて都合の悪いことを忘れようとするのかと。
 私は北朝鮮の日本人連行を弁護しているのではありません。拉致問題は平壌宣言を 誠実に日本政府が履行すれば解決するのです。だがこの問題を利用して日本中に朝鮮 排外主義をあおり、明らかに朝鮮戦争へのイデオロギー動員をしているのを見ぬかな ければなりません。朝鮮に対して戦争の恐怖を与え続ける限り拉致問題は解決するは ずがないのです。イデオロギーが車の片側の車輪であるならば法による規制が反対側 の車輪です。この両輪が朝鮮侵略戦争へと回転しはじめました。有事三法と新ガイド ライン法こそは朝鮮戦争のための法規制です。日本国内は軍事監獄になってしまうで しょう。どうか有事法を調べてください。共産党員の方々にまったくこの法律に対す る危機感、日本帝国主義がいまやアジア侵略戦争をやろうとしていることに対する危 機感がないということが重大なことだと知ってほしいのです。又法関係の方は有事法 を解説してください。共産党の知識人は全知全能を人民のためにささげてほしいと思 います。世界情勢、日本帝国主義の動向、そうした全体の中で個々の問題を見ること ができるのがマルクス主義者でしょう。
 拉致問題を切り取って他のものとの連関を見ないならばその範囲であなたは平均的 日本人として合格するが、共産主義者としては首をひねります。

「橋渡る人」華僑波乱万丈私史 林同春 著 エピック社刊より抜粋
 1985年のドイツ敗戦40周年における連邦議会でのリヒャルト フォン ワイツネッ ガーの演説より

 「今日のわが国民の大多数は、あの当時子供だったか生まれてさえいなかった。心 ある人は彼らがドイツ人であるというだけで、罪をかぶせはしないだろう。だが罪が あろうがなかろうがわれわれは過去を受けつがなければならない。それは過去を克服 するためではない。そんなことができるはずもない。
 しかし、過去に目を閉じる者は、現在に対しても盲目だ。あの非人間的な行動を記 憶しようとしない者は,新たな狂気の伝染に対し、再び抵抗力なしに染まるだろう。」 (天邪鬼注.今まさに染まりつつある)

    わたしたち中国人はいやアジアの近隣の国々は恐れている。日本が再び軍国主義の 道を歩みはじめたのではないかと。その恐怖をどうしても拭い去れないのだ。これほ どの日本に対する恐怖と怒りと悲しみをいまだに抱いてアジアの沢山の人々が暮らし ていることを日本の人々は知らないのではないか。ただ日本の人々だけが知らないの ではないか。なぜだろう.......それはやはり,知ろうとしないからではないか。

 こうした引用があなたにとってさらに深く日本の過去に犯したアジア人に対する犯 罪を調べ直すきっかけになれば幸いです。その気になれば知ることはできます。
 はじめに書きましたようにあなたが誠実な人であることを疑っていません。しかし このことに関しては異論があります。失礼のほどお許しください。