皆さん、前回の投稿(03/12/23)については大変失礼しましました。あの「★北朝鮮とは何か? №1」の「日朝共同宣言」なるものは私の創作です。お詫びをいたします。
あれは、2002(平成14)年9月17日の「日朝平壌宣言」を、私が改ざんした文書です。改ざん箇所の主なところは以下のとおりです。
1、日朝平壌宣言 → 日朝共同宣言
2、小泉純一郎 → 海部俊樹
3、金正日 → 金日成
4、平成14年9月17日 → 平成2年11月1日
と。しかし、なぜこんなことをしたのか? とお思いですか?
もうお分かりだと思いますが、日本中に衝撃を与えた拉致問題を前面的に押し出したはずの日朝宣言なるものとは、実は拉致の「ら」の字も無い北朝鮮政府への全面的謝罪と援助の確認だけに終わったということを皆さんに知って欲しかったからです(だから過去の清算について反対しているというのでは決してありません。くれぐれも誤解をしないでください)。
拉致問題は現在進行形の問題です。その問題が条文に入っていないとは? この条文を100%履行したところで拉致問題を解決できる保障は何処にも書かれていません。どうかもう一度その部分をお読みになってください。
> 3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。
どうでしょうか?「拉致などはどこにも無かったのだ」と言ってもいいような条文になっていませんか? これでは「我々は拉致問題なんか知らないよ」「謝罪も補償もしないよ」と北朝鮮が主張できる「リッパな宣言」になってはいないでしょうか。
「日朝平壌宣言を履行することが拉致問題の解決である」という根拠はこの宣言の何処にもありません。あるのは日本の過去への謝罪と補償、そして「遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとる」ということだけです。
「今後再び生じ」なければいいと言うことなのでしょうか? 北朝鮮は今まで起こしてきた、そして今も進行中の懸案である拉致問題を解決する意思などは当初からなかったのではないでしょうか? これはやっぱりアンフェアーじゃないでしょうか。
その策略にまんまと乗せられたのが小泉首相だったのです。もし、5人の被害者を北に帰しても、残っていた家族と共に再び日本に帰って来るだけでしょう。
日本側は、1兆円から4兆円の賠償代わりの援助金を出し、それで「全ては終わった」と言われるのが落ちです。100人以上いるといわれる拉致被害者や、日本人妻、在日帰国者の問題はもう追及できなくなってしまいます。だから家族の会は5人を帰さなかったのだと思います。
何度も言いますが、わたしは下記の条文については別に反対をしていません。
> 2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。
双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。
しかし、これでは拉致被害者や日本人妻、在日帰国者は浮かばれません。金正日は早急に謝罪し、対処するべきです。そして、それを明文化しないということは、金正日は何の責任も取ろうとしていないということです。「部下がやった」というのは「秘書がやった」と同じことだと思います。
戦前の問題を解決することと拉致問題はなんの関係もありません。金正日が本当に謝罪を要求する気なら、拉致問題の解決などすぐに出来ます。
解決できない原因はもっと他にあるのだということを知ってもらいたいのです。