日本の皆さまと在日同胞に訴えます
外国為替法・外国貿易法「改正」案の衆議院通過につづき、現在
国会には特定船舶入港禁止法案、再入国禁止法案が上程されようと
しています。
憲法第9条に反する自衛隊のイラク派兵、戦時法制のあいつぐ制
定などを含め、日本社会での好戦的右翼潮流、民族排外主義の台頭
に心ある多くの人々が深い危惧の念を抱いています。21世紀こそ
平和・自由・民主主義に基づく、共同、共生の北東アジア社会の実
現が強く求められています。
このような状況下にある現在、下記の諸項目を実現することが何
よりも緊急、かつ重要であると考えます。そしてそのために、心あ
る多くの日本人、在日同胞の皆さまに、連帯の輪に加わりその輪を
更に大きく広げていただくことを訴えるものです。
記
一、北朝鮮金正日政権は、自国内での残虐な人権抑圧を直ちに止めること。
北朝鮮現体制による人権抑圧を厳しく糾弾すると共に、朝鮮民族を主体としたアジア諸国民の連帯のもとに北朝鮮の民主化を一刻も早く、かつ平和的に実現すること。
一、日・朝両国政府は、日朝平壌宣言の精神を遵守し、両国間の懸案事項を平和的かつ速やかに解決すること。
日本政府は朝鮮民族排外3法案を直ちに廃棄し、拉致問題の全面的解決にあたっては関係諸国および国際機関などの協力を得て、あくまでも平和的な解決を目指す姿勢を堅持すること。同時に、北朝鮮政府は、一刻も早く過去の無法を清算し、自国民のための国際的人道支援についてもそれが円滑、確実に機能することを保障すること。
一、日本政府は、朝鮮民族への戦後賠償問題では、国際法を遵守し、個人への賠償責任なども誠実に果たすこと。
日・朝両国政府が「経済援助」の名の下に戦後賠償問題を曖昧化したり、「取り引き」材料とすることなく、朝鮮半島両国民、中国国民、アジア諸国民など、過去の日本の侵略戦争による被害に道理ある対応と補償を行うこと。
一、中国政府は、6カ国協議の成功に向けた積極的な政治努力をつづけること。
同時に、中国国内における北朝鮮難民およびその善意の支援・救出者への弾圧・拘束を直ちに止めること。中・韓・日政府は国際機関、民間組織とも協力して北朝鮮難民をめぐる問題状況を早急に改善、解決すること。
一、以上の立場に立って、緊急に求められている北朝鮮国民に向けての食糧、医療などの人道支援を拡大し、北朝鮮国民の困難な状況を一刻も早く緩和、改善するための国際支援体制の構築を関係諸国、国際機関、民間組織に対する呼びかけをここに表明します。
以上
2004年2月7日
「北東アジアの連帯」 金 国雄