評論家Nさんは「北朝鮮と日本の農業生産の条件は天と地程も違い援助なしには食っ ていけない」ようなことを言っているが、この見方は違うと言っておきます。北朝鮮 の今日の実態は、金父子による人災以外何者でもない。神戸大学の木村光彦さんの研 究論文の一部を紹介します。
「北朝鮮経済は1950年代後半、多額の対外援助を得て短期間のうちに復興したのち、 60年代にはいって早くも停滞に陥った。以後一層の援助と大量の国内資源投入によっ て実現した生産増は、経済原則を無視した「 強制成長 」であり、技術進歩をともな う持続的発展の結果ではなかった。
そこでは収穫逓減作用がつよく働き、非効率が増大した。生産の維持は援助に依存し、 結局、援助の削減とともに再生産は不可能となった。北朝鮮は、自立的工業の育成 - 農業国からの脱皮に失敗し、同時に農業発展にも失敗した。 近年の農業崩壊はそ の帰結であった。換言すれば、農業崩壊の根源は90年代よりはるか以前にさかのぼる」
更に詳しくは下記を--------
http://www.ier.hit-u.ac.jp/COE/Japanese/discussionpapers/DP98.3/98_3.html