北朝鮮・拉致を巡る問題が矮小化される危惧を感じますので、改めて意見を整理させていただきます。
「共産党の主張=北朝鮮問題に関する3つの目標」は下記のとおり。
(1)戦争も動乱も絶対に起こさせないこと
(2)拉致問題を全面的に解決すること。それは国際的な無法行為清算の第一歩になりうる
(3)日本が“過去の遺産”を清算すること。
この中で、焦眉の課題が拉致問題の解決であり、それは、金父子が数十年間、行ってきた数々の「国際的無法行為」の清算とそれへの決別の序章であること。「国際的無法行為」は東アジアの平和を脅かす「震源地」で、それと対峙し解決していくという強い意志を持っていないといけない。当事者である日本国民は意思表示の責務を重く負っている。この点については、共産党は、前回よく踏み込んだものと思う。
次に、「北」への食料支援問題について。何故、ここまで、北朝鮮の農業が壊滅的な状況に至ったのか?又、民生用の軽工業品さえまともに作れない工業レベルに落伍したのか?外貨を稼ぐ商品は、ミサイルと覚醒剤くらいしかない。あとは全部他人頼み。この根本原因の究明なしに、ダラダラと援助を続けても本質問題の解決に結びつかない。
北朝鮮は、朝鮮戦争後、他の社会主義国の援助によって「国」が成り立ってきた。「千里馬運動」や「5ヵ年人民経済計画」の大々的宣伝で、南に比べてはるかに発展しているように見えた経済も、実は最初から全部、他国からの援助が「正味」であり、外交は「もの貰い」外交が本質だった。
従って、国が立ち直るには、農業基盤の再構築と、最低限の工業基盤の確立が必要である。北朝鮮自身が自活するのを支援すること無しに、「米」や「物資」を贈りつづけても、底の抜けたバケツに水を流しているようなものである。
東ドイツとは比較にならない経済の落伍状態から立ち直る、まさに復興するには、各国の支援が欠かせない。まず、人材開発投資が必要。荒廃した国土の復旧も必要、工業インフラの整備も必要。中でも、「金将軍万歳」の教育しか受けていない、未来を背負って立つ青年層の教育が最も大事。 Xデ-ではあるが、このような時期が必ずくる。その時、隣国としての日本の歴史的出番がやってくるし、又試される。しかし、物事には順序がある。そのためには、まずは「拉致」問題の解決が優先するのである。
追伸
長壁さんの「北の方が日本政府の言うことより一理も二理もありますし、人間的交渉をしているのはどちらか一目瞭然であるということです」これって、何の根拠がありますか?「人間的交渉」て何のことですか?単なる感情論にしか見えませんが。
又、同じく「イラクのフセインよりは、金氏はあたまがいいし、したたかだと思います」これも何の根拠に基づいているのですか?真に頭が良い人は「経済を滅茶苦茶」にしない人、ないしは経済を立て直せる人と考えるのが常識的と思うのですか。