六カ国協議の位置付けを
誤解されている方がいるようなので、
事実関係だけ、述べさせていただく。
第一に強調したいのは、
誤解されている方の主張とは裏腹に、
六カ国協議の枠組み維持に熱心なのは
北朝鮮自身だということだ。
北朝鮮の官営メディア「朝鮮中央通信」は
昨年十二月から今年一月にかけての
複数の記事の中で、
北朝鮮スポークスマン談話を掲載し、
六カ国協議に向けた対処方針として
(1) 自国の核開発を凍結する
(2) 米国は北への敵視政策を放棄する
(3) 核放棄に伴うエネルギー支援を求める
との姿勢を表明している。
そして、二月二十五日から始まった
第二回六カ国協議で、
北朝鮮代表団の金桂寛外務次官は
そうした主張を繰り返した上で
協議の定型化に合意したのだ。
これに伴い、
議長国の中国・王毅外務次官は
議長総括を取りまとめ、
今年六月までに第三回協議を開く運びとなった
というのが、偽らざる経緯だ。
もし「六カ国協議なんかクソくらえ」という方の
希望通り、この枠組みが崩れたらどうなるか。
一つのシナリオとして考えられるのは、
ライス大統領補佐官らを中心とした「強硬派」が、
パウエル国務長官ら「融和派」を制し、
米国が北朝鮮のウラン核濃縮疑惑を
国連安保理に付託する恐れが出てくるということだ。
強硬派に口実を与えるような「枠組み破壊」を支持する人は、
その一点においてネオコンと認識を共有している
と言わざるを得ない。
日米韓中ロそして北朝鮮も加わった
北の平和的核放棄プロセスに期待するのは
ごく自然なことだと思っている。