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「北朝鮮問題」討論欄

「南京・閉ざされた記憶展」で体験した事。

2004/05/14 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 今私の住む各地で有志による「南京・閉ざされた記憶パネル展」が、自治体や 新聞社などの後援を受けて開催されている。
 南京大虐殺を問うこの種の展示会は、拉致問題表面化以前は「731部隊展」と並 び、右翼的勢力の攻撃の的となった。
 いずれも「被害者数」に問題をきり縮め「大虐殺はなかった」、「人体実験等する わけがない」「証拠に乏しい」といった議論に方向を向けようとする攻撃である。
 日本が加害者である事を拒否し、戦争の真実を覆い隠し隠蔽を意図したものだった。

 今回、最終日の午後、会場に向った、平日で雨模様の条件であり人の入りは芳しく はない。
 そこに30代後半の男が入場して来た、初め併設のビデオを見ていたが暫くして、 大きな声で喋りだした。
 「そもそも南京の人口は20万なんだから、いない人殺せる訳がない」「南京大虐 殺って言うけど30万なんて簡単に殺せるものじゃあない、処理出来ないよ」「当時 だってイラクと同じで一杯新聞記者やジャーナリスト入っているからそんな大虐殺し たら全世界に流れるでしょう、そんな事聞いたこともない」等など「南京大虐殺否定 派」の常套発言を繰り返し出した。
 おそらく事前に勉強会など開いて、教え込まれた発言に思えた。
 その為、主催者でも賛助員でもないのだが、各々について展示されたパネルを示し 説明すると、パネルは殆ど見ることなく同じ言葉を繰り返すだけになり、しかも次第 にトーンが下がり、最後にはアンケートを書く振りして帰っていった。
 残された住所を見る限り、わざわざ遠い所からのご来場客だったのである。
 対応については当初主催者の説明がソフトすぎて、先方を図に載せた嫌いもあった が、その後の「同じ来場者」からの明確な応答が効いた様に思った。
 右翼の「理論武装」は殆どがつけ刃である、確信を持って対応する事の大切さを今 更ながら感じた。

 しかしこれら戦前の戦争による加害問題に時間は残されてはいない、皆さんがただ 知識として心の中に「閉ざされた記憶」としてしまい込むのではなく、関心を持ちこ れら企画に積極的に参加してほしいものだ。
 「戦時下情勢」は私たちの怒りや知識を閉じ込める事によって、作られて行くのだ からー。