16日新潟西港に朝鮮の万景峰号が入港した、今月に入って2度目、国会で特
定船舶入港禁止特別措置法が成立して初めてである。
修学旅行生や親族を訪ねて帰国した在日の人たち215人が帰り、約50トンの雑
貨も運んできたという。
ところがどうも様子がおかしい、これまでの入港歓迎風景?とは若干違うのだ。
確かに「入港反対」の横断幕もあり、ダークスーツ姿の10人程ががこぶしを突き
上げてはいるのだが迫力がない、なぜかな?とインターネットサイトで確認するとあっ
た、NHKは触れなかったが地元新潟の「救う会」が、この間の抗議行動に他県の「救
う会」を名乗る人物や政治団体(右翼?)の構成員らが朝鮮国旗を破り捨てたり、タ
クシーに「北朝鮮に協力するな」と威圧的に迫るなどの過激な行為が目についた為、
新潟の「救う会」としての抗議行動を中止したのだという。
ダークスーツ姿のお人たちはなんと、セーブが効かず暴走が止められない新潟県議
会の右派県会議員だという。
確か万景峰号入港反対が華々しい頃、一部週刊誌が反対行動には同じジャンパー姿
の正体不明の人間が半分を占めると嘆き、報道されていた、それが今回やっと「正常
化」したのだ。
あるフリージャーナリストによると、在日の人が朝鮮の親族に雑貨・日用品を送る
時、万景峰号を利用した場合エアー便の四分の一位の費用で済むという。
修学旅行でも生徒の負担を考えれば、万景峰号を利用した船旅はそれだけでも価値
があるのだ。
昨日より朝鮮戦争以降続けられて来た38度線・休戦ラインを挟んでの朝鮮と韓国
との宣伝・中傷放送が中止されたという。
機能強化・戦略的見直しに基づく日本他への移管という側面はあるものの、韓国駐
留米軍の三分の一(12500人)の削減も決まった。(この事はもとより本質的解
決ではないが、基地周辺に住む人々への脅威は大幅に削減される、基地がなくなれば
米軍の暴力などが減少する、これは沖縄の基地周辺の人々の思いと共通する)
政治、経済と合わせ朝鮮半島の関係正常化は着実に前進している、これと比べ、こ
の国の隣国・朝鮮半島への対応は様々な面で遅れをとっている。
政府が出来なければ、民間でやればいい、ただそれだけだ。
参議院拉致特別委員会で、共産党の緒方議員も質問の中で「北朝鮮打倒論」や交渉
には圧力や制裁が必要だとする論議は「外交で解決するつもりのない者の論だ」と発
言している。
扉を閉めておいて正常な関係の構築など出来る訳がないのである。
最後に長壁さんへのバッシング?に「日本の北朝鮮外交はせせら笑われている」と
かがありましたが、これについて丁度いい新聞記事がありますので紹介します。
(朝日新聞6月16日号2面)
「曽我さん問題」米大統領に首相、苦心の説明。
大統領「一緒に暮らせるなら・・・北朝鮮ではダメなのか」他略。
この記事ではサミット前の日米会談で、小泉がブッシュに拉致問題について「頭か
ら袋をかぶせられて連れて行かれた」など詳しい状況を説明したという、ブツシュは
拉致問題を殆ど知らず、関心がなかったのだ。
この事は、拉致問題はあくまで日朝間の個別問題であり、国際的には殆ど知られて
いないし、他の国にとって興味外のことである例証です。
川口順子の国連での拉致問題の言及、また六ヶ国協議の場での日本側の重ねての拉
致問題提起も、かえってその事の証明となっています。
昨年、横田さんたちが韓国を訪問し、韓国の拉致被害者と会談を持たれたことがあ
りましたが、日本以上に拉致被害者がいる韓国でもこの時、極一部を除き殆ど話題に
ならなかったのです。
拉致被害の家族の方々には本当に情けなく申し訳ないのですが、悲しいかな日本の
外交レベルはその程度、その程度にしか国際的に評価されていないのです。
そう、ある意味その主体性のない外交姿勢が「せせら笑われている」と言っても決
して過言ではないのです。
私が昨年ある拉致被害者の方とお会いしお話した時、その方の口から一番初めに出
た怒りの言葉は「これまで我々が何を言っても日本の政府は何もしてくれなかった」
だったと思います。
貴方が外務省の職員でなかったらですが、皆さんのお怒りの声は長壁さんではなく、
是非、小泉や川口に向けて下さい。
長壁さんに幾らバッシングしても、何の解決にもならないのです。
関心のある方は、朝日新聞の記事を読んで下さい。