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「北朝鮮問題」討論欄

平和を願って

2004/08/13 金 国雄

 皆さま、こんばんわ。

 同じ在日であり同世代の姜尚中氏も最近では北朝鮮の体制の問題に目を 向けるようになってきたようです。帰国・帰還事業に関してもしかり。ま た『在日』での第一章では「朝鮮戦争のときに生まれて」とあり彼も私と 同じように生まれた時代の「朝鮮戦争」ということを強く意識しているよ うにも思われます。

 「朝鮮戦争」に関しては、ロシア(旧ソ連)、中国での機密文書の公開 等もあり、この10余年ほどの間でも多くの本が、この日本でも出版され ています。関心がありましたなら一度、検索で調べられ読まれることも有 意義なものでしょう。

 私もはるか昔、青少年時代にもよく「朝鮮戦争」関係の本を読んだ記憶 があります。当時を振り返り、皆さまにはあまりなじみの無い文献かもし れませんが、次のような文献から「朝鮮戦争」勃発の翌日、金日成のラジ オでの放送演説を「反戦平和」を、軍国日本の敗戦の日に願って参考まで に抜粋で紹介いたします。

 『金日成二巻選集 第一巻』
 日本共産党中央委員会金日成選集翻訳委員会訳
 1966年8月30日 新日本出版社

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 すべてのカを戦争勝利のために
  ――全朝鮮人民への放送演説――  (一九五〇年六月二十六日)

 親愛な同胞のみなさん!
 愛する兄弟姉妹のみなさん!
 わが人民軍の将校、下士官、兵士諸君!
 共和国南半部で活動するパルチザン諸君!

 朝鮮民主主義人民共和国政府を代表して、わたしは、諸君につぎ のようにうったえる。

 六月二十五日、売国奴逆賊、李承晩かいらい政府の軍隊は、三八 度線の全地域にわたって共和国北半部にたいする全面的な攻撃を開 始した。勇敢な共和国警備隊は、敵の侵攻をむかえうってはげしい 戦闘を展開し、李承晩軍の攻撃をうちくだいた。

 朝鮮民主主義人民共和国政府は、現情勢を検討した結果、わが人 民軍にたいし、決定的な反撃戦を開始して敵の武力を全滅せよと命 令した。人民軍は、共和国政府の命令によって、敵を三八度線以北 の地域から撃退し、三八度線の南へ一〇~一五キロメートルまで前 進した。人民軍はすでに甕津、延安、開城、白川などの各都市と多 くの部落を解放した。

 わが祖国の愛国的な全人民は、平和的な方法で祖国を統一するた めに全力をつくしてきた。それにもかかわらず、売国奴李承晩一味 は、人民にそむき同族あいあらそう内乱をひきおこした。

 ひろく知られているように、必死になって祖国の平和的統一に反 対する李承晩一味は、ずっと前から内乱の準備をしてきた。かれら は南朝鮮人民の血とあぶらをしぼって、軍備の拡張と後方をかため るための準備に狂奔した。かれらは、かつて例のないテロの暴圧に よって、南朝鮮のすべての民主的な政党、大衆団体を非合法化し、 愛国的で進歩的な人びとを逮捕、投獄、虐殺し、李承晩の反動的な 制度にたいするわずかな不満の表現にたいしても、きびしい弾圧を くわえた。祖国の独立、自由と民主主義のためにたたかった数十万 のわが人民のすぐれた息子や娘たらが、敵によって投獄され、虐殺 された。

 李承晩一味は、かれらの内乱挑発の陰謀をごまかすために、たえ ず三八度線における衝突事件をひきおこし、人民をつねに不安にお としいれ、これらの挑発的な衝突事件の責任を朝鮮民主主義人民共 和国になすりつけようとしてきた。

 親愛な同胞のみなさん!

 朝鮮民主主義人民共和国政府は、わが祖国のすべての愛国的、民 主的な政党、大衆団体、および全人民とともに、同族あいあらそう 内乱と流血の惨禍をさけ、わが祖国を平和的な方法で統一するため にあらゆる努力をかたむけてきた。すでに一九四八年四月の南北朝 鮮諸政党大衆団体代表者連席会議で、わが国を平和的に統一するた めの最初のこころみがなされた。

 しかし、売国奴李承晩一味は、このくわだてを破綻させ、アメリ カ帝国主義者とその侵略の道具となっている、いわゆる国連朝鮮委 員団のさしずのもとに、一九四八年五月十日、南朝鮮の単独選挙な るものをおこない、わが祖国北半部にたいする武力侵攻の準備を強 化した。

 祖国の平和的統一と完全独立をかちとるために、咋年六月、祖国 戦線のもとに結集した南北朝鮮の七二の愛国的な政党、大衆団体は、 総選挙を実施する方法によってわが国を平和的に統一するよう提案 したのである。全朝鮮人民は、この提案を熱烈に支持したにもかか わらず、李承晩一味はまたもやこの提案をも拒否した。

 祖国統一民主主義戦線は、全人民の意思を代表して、一九五〇年 六月七日、かさねて祖国の平和的統一を促進すべき方針を提案した。 しかし、李承晩一味は、平和的な祖国統一についての祖国戦線の提 案を支持する人びとを反逆者とみなすとおどかし、その提案の実現 をも不可能にした。

 一九五〇年六月十九日、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常 任委員会は、民主的な諸政党、大衆団体の志向にもとづいて、祖国 の統一独立と民主的な発展にたいする不屈の思志を表明するととも に、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議と南朝鮮の「国会」を連 合して、単一の全朝鮮立法機関とするという方法によって祖国の平 和的統一を実現するよう提案した。

 李承晩一味は、平和的に祖国を統一しようという全朝鮮人民の一 致した願いと、われわれの正当な誠意ある提案にたいして、内乱の 挑発をもってこれにこたえた。

 この反逆者一味が、同族あいあらそう内乱をひきおこした目的は なんであろうか。

 李承晩一味は、同族殺しあう戦争をつうじて、南半部に実施して いる反人民的、反動的な統治制度を、共和国北半部にまでおしひろ げようとたくらんでおり、わが人民のかちとった民主改革の成果を うばいとろうとしている。

 親愛な兄弟姉妹のみなさん!

 わが祖国と人民には大きな危機がせまっている。

 朝鮮人民は、李承晩一味に反対するこの戦争で朝鮮民主主義人民 共和国とその憲法をまもりぬき、南半部の売国的なかいらい政権を たたきつぶしてわが祖国の南半部を李承晩一味の反動的な支配から 解放し、真の人民政権としての人民委員会を南半部に復活させ、朝 鮮民主主義人民共和国の旗のもとに祖国統一の大業を完成しなけれ ばならない。

 売国奴李承挽一味がひきおこした内乱に反対して、われわれがす すめている戦争は、祖国の統一と独立、自由と民主主義のための正 義の戦争である。

 ふたたび外国帝国主義者の奴隷になることを欲しない全朝鮮の人 民は、こぞって李承晩売国政権とその軍隊をうちやぶる救国闘争に 決起しなければならない。われわれはあらゆる犠牲をもいとわず、 かならず最後の勝利をたたかいとらなければならない。

 *誤字脱字の節には、ご容赦のほどを。

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 それでは失礼致します
  金 国雄 拝