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「北朝鮮問題」討論欄

北朝鮮再論

2004/09/10 曙光のきざし 40代 無職

 台風は、列島各地に甚大な被害を及ぼしたようです。壱岐・対馬ではまだ(48時間以上)電気が途絶したままで住民は不便な暮らしをしているようです。そう言えば、サッカーインド戦でも長時間の停電がありました。しかし、ブラジル出身のジーコ監督は、良くあることと動じなかったようです。考えれば、日本でも停電無しの生活が確立してまだ間がないのです。
 ひるがえって、北朝鮮の状況を考えると大変厳しい状況にあると思われます。先ず、食料支援の問題です。現実には、北朝鮮政府を窓口として食料支援をするとして、本当に全土に食料が行き渡るのでしょうか?現在、日本で何不自由無く食料が手に入るのは、食料生産・輸入は当然として流通網が完備しているからです。オイルショックの紙騒動を覚えているでしょう。当時、消費に必要な紙在庫は充分あったようです。それにも関わらず紙不足が生じたのは、流通段階でストックされたのが原因でした。そうならば、仮に北朝鮮に悪意が無くても全土に食料が行き渡ることは非常に難しいと考えられます。

 何せ、主たる移動手段の鉄道を制御する電力が送電されていないのですから、流通網の状態など推して知るべしです。勿論、その原因は金親子の出鱈目な経済政策のせいです。ソ連の真似をして、電線を地中埋設してしまったためです。勿論、軍には独自の補給線が確保されているので、優先的に軍には食料が配布されるでしょう。しかし、民間と軍には隔絶があると思うので、軍から食料が配布されるとは考えられません。そう考えると、配給方法にまで支援国がイニシアチブを取らなければ責任ある人道支援が達成できないという事実が判明します。具体的には、大量の非政府組織が入国して、実際の食料配布を行うという方式です。イメージできるのは、アフリカなどで見られる難民キャンプ方式です。
 しかし、北朝鮮は国家としてそのような方式を拒否しょうとするでしょう。それでは、援助しなければ良いのです。援助の目的は、民間レベルへの食料配布ですから。ちなみに、食糧自給率が100%を割っている日本は、国際社会では異質な国です。ヨーロッパをはじめとして、各国は自国生産物でまかなえるようになっています。食料は、戦略物資ですから、安全保障としては常識です。そういう意味では、日本の国家戦略は全世界との平和外交を主眼として、戦略物資の食料さえ他国との平和的依存関係に頼っていると言えます。(良い、悪いの評価は別にして)
 言い換えると、北朝鮮の場合、軍事国家としても破綻しています。優秀な職業軍人達は、現政権を馬鹿馬鹿しく見ているでしょう。
 一縷の望みとして、軍部は本当に金政権に忠実なのでしょうか。日本の、特に左翼の人には大きな勘違いがあります。ケガレ思想の為、軍人に対する意識しない差別意識を持っていることです。
 少なくとも、最新型のジェット戦闘機を操縦する空軍パイロットはとんでもないインテリだと考えられます。空気力学、電子工学の専門知識が無ければ現代の戦闘機を飛ばすことはできないと思います。操縦訓練には、ソ連にも行っているでしょうし、語学も流暢な筈です。何年か前、ソ連留学帰りの空軍士官が大量に粛正されたという観測もあります。軍のレベルを、保つためには外部からの情報注入は必須なのです。勿論、ここで言うのは正規軍の事です。拉致を実行した謀略部門とは違います。一般的に、正規軍と情報部門(CIAやKGBこれらも軍人です)は仲が悪いのが普通です。だから、私としては次期政権は軍事独裁政権になるのでは、と思いますし、その方がある種ましかもしれないと考えます。
 しかし、このような状態でも政権が崩壊しないのは国民国家の概念が存在しないせいだと考えます。朝鮮の歴史を振り返ると李朝政権からわずかの間(日本植民地支配時代)だけ資本主義(国民国家・民主主義国家)の体験を経て又、李朝時代に逆戻りしたからです。日本史に直せば、平安朝が600年続き、明治時代が45年あり、又南北朝に戻ったようなものです。
 北朝鮮政府高官は、一般人である拉致被害者の問題で日朝国家間の問題が進展しないのを不思議に思っているようです。未だ身分制社会なのです。

 しかし、この間の爆破事件は本当に事故だったんでしょうか? 金正日通過後10時間後の爆発だったということですが。中国からの、示威行動ではなかったのでしょうか。核開発に関しては、中国は北朝鮮の核保有は原則的に許さないと考えます。それを許すと、この地域(日・韓・台)が核保有に動きますから。そういう意味では、この問題に関する中国の動きは注目ですし、日本としては中国への平和的圧力も考えるべきです。脱北者への扱いやアジアカップで現出した極端な反日行動、これらが国際社会から如何に異様に映るか、ひいては北京五輪を目前として中国の国益にそれが本当に適うのか自覚させる努力が必要です。(与野党問わず)