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「北朝鮮問題」討論欄

海女のリャンさんをみて

2004/09/11 長壁 満子 40代 金融

天邪鬼さん、宣戦布告、まさに、あなたが気が狂ってしまわれたかとびっくり仰天いたしました。
 読み進むうちに、そうでないことが分かり、ひとまず、安心いたしました。
 細かなことは言うつもりはありませんが、いまや、ドコでもここでも、戦争がより、濃厚になりつつあります。メディアのプロパガンダは、ほぼ成功し、日本の隅々まで、ある一色になりつつあります。
 話は変わりますが、私は、昨日、「海女のリャンさん」をみて参りました。ご存知かもしれませんが、日本・韓国・北朝鮮に離散した家族の絆を守り抜いた母の愛を描いています。国家が不条理な圧力で個人をひきさき、それに抗いながら、したたかに生き抜いたリャンさんの強さと明るさに、幾たびも涙をしました。
 リャンさんは、現在87歳。東京に住む長男のよびかけにも応えず一人で生きています。過酷な海女の生活を70歳までなさったという体をいたわりながら、杖をつき、自転車にのりながら、元気に生活されてます。
 今まで、北朝鮮に帰国事業で帰国したきりあえなかった子どもたちとの逢瀬、万景峰号に一杯手土産をつみこみ、いざ、船にのろうとするや11時間も拘留など、日本政府の仕打ちに身がすくみました。韓国にいる息子夫婦には、韓国政府から発行された臨時のパスポートと、日本政府からの再入国許可書を携えて、涙の対面が圧倒的でした。
 リャンさんの夫は朝鮮総連勤務で、無給でした。そんな夫とけんかもしながら、理解し、生活はリャンさん一手にかかっていたのです。
 今、老齢化する身に、ふるさと済州島をこよなく愛するリャンさんに、北のピョンヤンに住む4男の訃報、ついで、南に住む娘の病など、哀しい現実も襲い掛かります。
 ともあれ、私達日本人が、ここで、経済制裁だの、「特定船舶入港禁止特別措置法」だのと、えらそうに、まるで、ブッシュの「対テロ戦争」の呪文のごとくとなえる間にも、リャンさんたちは、その都度、いのちも削る悲しみや不安にたえて、日本での生活を余儀なくされているということです。
 今や、ここの掲示板は、先祖帰りか、さざ波が否定する「戦争推進」論が花盛りですが、私は、今一度、真摯に、9・11からの3年を振り返っていただきたいと思います。
 文章の表記でなく、いってることの中身、姿勢が、問われるのではないでしょうか。戦争が起こり、人が死に行く時、しかも、日本が、北朝鮮が、その構造に組み込まれんとするとき、ここで、何をどう、言わねばならないか、そろそろ、気付くことが人間のしるしだと思います。