以前、筆者は『現代コリア研究所』所長・佐藤勝巳氏の歴史認識を問題にしたことがあったが、今回は研究所の関係者の人権感覚そのものを疑わせる事件があったことを問題にしたい。
筆者は以前、この研究所に夜間の10時過ぎに電話したときがあった。今から考えれば、このこと自体は通常の業務が終了しているときのことであり、確かに連絡が一般に取れる時間帯ではなかった。しかし、研究所にでた担当者は「はい、現代コリア研究所です」と名乗っていた。
そこで先日、改めて当方は佐藤氏に問い合わせたいことがあったので、同研究所に電話したのだが、出たのは「ナガノ」と名乗る人物だった。しかもこの人物の話では、電話は研究所から転送されているものだという。
当方は以前にも、この人物を通じて佐藤氏に贈呈した資料の件について問いただしたいことがあったので、再度連絡を取ったのだが、この「ナガノ」という人物の対応はひどいものであった。
当方の問い合わせに対して、なんら誠実な対応をしようとはせず、逆に開き直って、「あんたはヤクザか!」「あんたは痴呆症か!」などと、およそヤクザのようなものの言い方で当方を怒鳴りつけた。さすがに当方も怒り、「あなたは、痴呆症と呼ばれている人や、その家族のことを考えたことがあるのですか?」と抗議すると、「そんなこと考えたことなんかねえよ!」などと開き直り、その後一方的に電話を切った。
さて、同研究所はことさら北朝鮮の拉致被害者やその家族の人権問題を言い立て、北朝鮮への経済制裁やらなにやらを煽り立てているが、「痴呆症」などで苦しんでいる本人や、その介護に当たる家族の苦しみや悲しみをまったく理解できない人間に、緊急時の電話対応を任せていることがわかった。このことは、同研究所が唱える拉致被害者やその家族の「人権」とやらが、結局は二重基準の上に成り立っていることがわかり、大変有益であった。