虹の彼方さん、再三のご教示恐縮です。当方、勉強不足で「丹波マンガン記念館」について書かれた書物があるなどとは知りませんでした。さつきさんへの問題提起とした拙文は、ただたださつきさんの文章を深く読むこと(言外に秘められた言葉)と、個人的な在日の方へのイメージ、それと私自身が所属する「働きどう」という言い方が相応しいと思いますが、労働者=庶民の生活感から疑義を呈した訳で、紹介されたルポで私がイメージした世界とほぼ同様なことが書かれているとは知りませんでした。謹んで感謝致します。
それから、さつきさん、共産主義への否定的意見を述べた私とは議論したくないようですが、私の意見は正義の味方さんと同意見ですよ。違いは、正義の味方さんが過去の共産党の北朝鮮への良い対応を紹介したくだりぐらいですよ。しかし、以下の論述は気になります。
一旦日本の「領土」と化した朝鮮半島が、日本の敗戦と同時に遺棄され、無政府状態になった
これは、正しく無いでしょう。無政府状態の定義が問題でしょうが、一般的に無政府状態となれば何より日常生活の安心と安全が脅威にさらされます。具体的には、商取引では売った品物の代金が回収できなくなり、暴徒が襲ってきても警察が存在しないので守ってもらえなくなります。無法状態なのですから、弱肉強食の論理のみ通用し、暴力と暴力が対立し対抗策を持たない庶民は塗炭の苦しみを嘗める事になります。
しかし、朝鮮半島にはアメリカ軍が進駐した訳ですし、朝鮮総督府の事務は円滑に日本人から引き継がれています。ご承知のように、総督府には多くの韓国・朝鮮人が働き、又権限ある仕事も行っていました。日本人が支配して、半島人は下働きというような歪な状態では無かったのです。ですから、事務はスムースに引き継がれています。(エピソードとして、机を同じくする日本人に対して農民のせがれであるあなたと、両班出身(高貴な)の自分が同席するなど李氏朝鮮時代では考えられなかったと冗談交じりで述べたという証言があります)
当然、独立したと同時に行政機能はフルに働いていたはずです。論理的には、そうなのですが、さつきさんは無政府状態だった事実を証明できるのですね?
又、拉致被害者が今後の人生を幸せに過ごせるかどうかは、北朝鮮の報復テロが無いことと、日本人社会全体のフォロー、そして何よりご自分達の努力の結果でしか判別できません。このことは、強制連行・慰安婦の方にもそっくりあてはまります。しかし、さつきさんは膨大な強制連行・慰安婦の方が不幸だと前提にされていますが、これも証明できるのですか?
強制連行(言葉の定義が不明確ですが)慰安婦(この問題を論ずるのならからゆきさんと言われた日本人娼婦達も同列に研究、論じなければ不正確でしょう)というキーワードを使いステロタイプで彼らが不幸でなければならないと、決めつけるのはいかがなものでしょう。それは、庶民の生活力、上昇志向というものを眼中に入れない、あまりにも偏狭な見方では無いですか?
もう一つ、「武力では圧倒的に「我が軍」が勝っている」との記述ですが、これは日・韓・米のことでしょうか?最近、北朝鮮国境付近に中国軍が増派されているという事実が報道されました。表向きには、脱北者対策でしょうが、軍事的には北朝鮮内に異常が生じた場合、中国軍が即応できる態勢を取ったと見るべきです。
現在は、厳しい脱北者対策を行っている中国ですが、国際情勢を考えた場合(オリンピック・世界の工場)早晩方針転換するでしょう。でなければ、米欧から異端視され北朝鮮支援国家と言われかねません。そうなれば、現在の経済成長の鈍化が予想されるので、そのような事態だけは避けるでしょう。従って、「我が軍」には中・露も加えることをお忘れ無く。