日本にとっての焦眉の課題=「拉致の解決」よりも、北朝鮮への「謝罪や償い」を重視する人達の基本的考え方を投稿で見、再度驚愕した。今度は奈落の底に突き落とされる思いである。
第1:拉致家族が冷静さを失って取り乱しているとしていること。
第2:拉致被害者支援活動を「集団ヒステリー」と規定していること。
これ等を主張する人達は、今までの経過について多分無知なのだろう。
「拉致家族が冷静さを失って取り乱している」とは、見当違いも甚だしい。
横田めぐみさんが、拉致されたのは、1977年のことであり、既に26年の歳月が経過している。横田夫妻の長く苦しい闘いが続き、20年経って事実が明るみになり、ようやく全国的な支援の輪が広がった。その間、政府(外務省)から疎んじられ、政党からもそでにされてきた。本当に辛く長い闘いであったろうと頭が下がる。自分なら途中で挫けてしまうと思う。
脱北者からの情報によって、拉致問題のベ-ルがはがれ、展開が変ってくるが、そこでの政治の動きは大きい。拉致被害者に直接接触し、執拗に調査をしたのは、日本共産党橋本参議院議員秘書兵本達吉氏である。氏の調査への執念は、松本清張作の「砂の器」に登場する老刑事を彷彿させる。
今日の拉致被害者救出の国民運動の高揚に氏は大きく貢献した。ご承知のとおり、不破議長は「兵本秘書が家族会結成で奮闘したことを紹介する拉致のドラマへの出演」に対してドタキャンを指令し、その後共産党自身が国家テロと認定した拉致被害者家族に、会う事はしようとしなかった。拉致被害者救出の国民運動のイニシアティブは、自民党の一部と民主党に移行し、総選挙では、「拉致問題」に背を向けつづけた「社共」が惨敗の洗礼を受けた。
又、北朝鮮はつい最近まで、「拉致問題は存在しない」と、長年しらを切ってきた。嘘を嘘で塗り固めてきたのである。「過去を清算して国交を回復」は結構。しかし今後一切嘘はつきませんという約束の取り付けなしに、安直な利権型「国交回復」は、百害あって一理なしと言っておきたい。
北朝鮮への「謝罪や償い」を重視する人達の主張は、ある意味では「不破-緒方」ラインと共通項がある。拉致被害者支援活動の欠如とその活動への冷淡さにおいて。
しかし、日本共産党の「不破-緒方」ラインは、「拉致家族が取り乱している」とか、支援活動を「集団ヒステリー」というような、そこまで度外れな失礼なことは言っていない。もし言えば、国民皆を敵に回して、存立基盤がなくなってしまう。ダンマリの継続中と言うのが適切であろう。
「謝罪や償い」重視の方々は、何の根拠を持って「拉致家族が取り乱している」と言えるのか?これは、拉致被害者家族に対する冒涜である。血の出るような長期の闘いを継続している被害者家族のみなさんに謝罪してもらいたい。拉致被害者支援活動に対する「集団ヒステリー」発言は、国民的運動に対する冒涜である。