以下の11月15日のあなたの発言ですが、
>私たちは冷静に「経済制裁」を背景にした日本の「圧力外交」が殆ど破産して いること、正直北朝鮮の政権上層部に日本は外交交渉の相手にすらされていない ことを確認すべきなのです。
と言われていますが、日本がどんな「経済制裁」をしたというのでしょうか。「 するぞ、するぞ」と言いながら発動もしていない『「圧力外交」が殆ど破産して いる』とはどういうことなのでしょうか? できれば具体的にお示しください。 なお、下記に示すように小泉は「経済制裁」など、まったくするつもりはないよ うですよ。
【朝日新聞】(11/15 23:47)
北朝鮮への経済制裁は当面見送り 正常化交渉再開は留保
また、次の点です。
>~日本という資本主義国、帝国主義国が東アジアにおいて存在していく為には 朝鮮半島、そして中国東北部が必要だったからです。
>その関係は今も殆ど何ら変わっていない、長い停滞を続けるこの国にとって、 巨大資本にとって、中国、ロシア、シベリア、そしてヨーロッパの窓口となる朝 鮮半島北部の経済ルート化は絶対必要です、北朝鮮がこれ以上閉鎖される事はこ の国の資本・経済にとって大きな耐え難い損失になっている。
>それを判っているから中国も韓国もそしてロシアも嫌々ながら、無茶を言う北 朝鮮との関係を保っている。
>勿論これらは北朝鮮の全面的崩壊が、かつての東欧崩壊に以上に、これらの国 々に、また日本に膨大な負担となることも知ったうえです。
「今も殆ど何ら変わっていない」と言われていますが、資本主義国にとって北
朝鮮が本当そんなに必要なのでしょうか? 中国、ロシアも北朝鮮が必要なので
しょうか? 私には到底そうは思えません。
日本も韓国も中国もロシアも極東での軟着陸をひたすら願っているように思え
ます。アメリカは核や大量破壊兵器がテロ国家(アメリカの敵)に回る事だけが
気に食わないのではないでしょうか。各国の利害関係で見るならば、
1、日本にとって=先日、ゼネコン幹部が北朝鮮を視察したことが報じられて いましたが、これは1兆円とも6兆円とも言われる「平壌宣言」による日本の経 済援助を、廃墟と化した北朝鮮のインフラ整備を通じてその資金を横取りするた めの視察だった思います(日本の世論の批判に11社中2社だけが訪問したという 。しかしその2社の会社名は明らかにされていない? ここに小泉の本音が見え 隠れしているのではないでしょうか?)。ゼネコン以外に北朝鮮から利益を得る ことを誰が考えているのでしょうか? 日本の資本にとっては中国やロシアの方 がもっと気がかりな問題です。
【毎日新聞】 2004年11月28日
ゼネコン:11社が北朝鮮視察を計画 出国後に突然中
止
2、韓国にとって=東西ドイツの例ではないが、韓国にとっては本当に頭の痛い問題 だと思います。北朝鮮のインフラは東ドイツの比ではなく、韓国一国では到底面倒見 切れないほどすさまじい荒廃ぶりです。日本、中国、ロシアとアメリカの協力なしに は韓国経済は破綻するでしょう。
3、中国にとって=ご存知のように、中国は少数民族・多民族問題、国境問題、沿岸 部と内陸部の対立、農村と都市、台湾とたくさんの問題を抱えています。北朝鮮の崩 壊は新たな民族問題、国境問題を引き起こす可能性があります。どうしてもそれだけ は阻止したいと思うでしょう。だから10万以上の軍隊を中朝国境に貼り付けているの だと思います。
【朝鮮日報】
中国の高句麗史歪曲
【RENK】
中朝国境で中国人民解放軍が「戦争準備」!?
4、ロシアにとって=シベリアの広大な資源(天然ガス、石油、材木)を朝鮮半島か ら韓国、日本に引き込みたいとは思ってるようですが、通過点としての価値しかあり ません。それより、北朝鮮の核とミサイル、化学兵器がイスラム世界(チェチェンな ど)に流れることを一番恐れていると思います。
5、アメリカにとって=北朝鮮の核とミサイル、化学兵器、麻薬、偽ドルや、在韓米 軍35,000人の命のほうに関心があるのです。北朝鮮に下手に手を出せば中国、ロシア を刺激するだけで、イラクやイランのような経済的メリット(石油)は何もありませ ん。アメリカの極右達は「イエローモンキー(中国・韓国・北朝鮮・日本人)同士で 勝手に殺しあえばいい」と公言すらしています。だから単独交渉を避け、6者協議に こだわるのです。
また、拉致被害家族にたいして大変失礼な言葉を投げかけられていますね。
>拉致被害家族や右翼排外主義の人々ががなりたてるように、北朝鮮外交はそう単純 ではない、圧力や経済制裁で片付く事ではないのです。
この点について下記のように「正義味方さん」が珍しく怒って発言されていま す。
》『拉致家族の方々は2年も前から「拉致問題の解決はアメリカによる北朝鮮攻撃し かない」と公言されていました』
》これについて。いつ、だれが、どこで、どのように公に発言されたのか明確にして いただきたい。
寄らば大樹の陰さま、「拉致家族の方々」とはいったい誰なのでしょうか。何人の
方がそうおっしゃっておられたのでしょうか。すべての拉致被害者が「拉致問題の解
決はアメリカによる北朝鮮攻撃しかない」と公言されていたのでしょうか。この発言
は誤解を招きます。ただ一部の人の意見であるならば、これは明らかに間違いです。
「家族の会」にも左翼から右翼までいろんな方がおられます。それを一派ひとから
げに「拉致被害家族や右翼排外主義の人々ががなりたてる」と言われるのは問題の本
質を見誤っているといわれとも仕方ないでしょう。この発言は右よりになっている日
本の世論を一層右に押しやることになるのではないでしょうか。
拉致問題の周りに右翼が取り巻いているのは、左翼がこの問題にまったく取り組ま
なかったからではないでしょうか。
共産党は88年から橋本代議士、兵本秘書の力で初めて国会にこの拉致問題を出し、
政府に北朝鮮の責任を追及し、それを認めたのです。しかしその後の北朝鮮への方針
転換により、この問題を切り捨てたのです。はっきり言って拉致被害者を見捨てたの
です。
被害者は藁おもすがる思いで反共意識で蠢く右翼人士に助けを請うたのではないで
しょうか。
今、拉致被害者の中で「日の丸君が代だけはやめてくれ」とは言えるような状況下
にはありません。もし、そんなことを言えば救う会、拉致議連、政府、マスコミ、世
論から猛烈なパッシングを受け、拉致問題解決そのものが宙に浮いてしまうでしょう。
今の状況は、基本的人権を守る、自国民を守る、国際法を守るという当たり前の問
題を左翼の怠慢で許してしまったという以外何物もないのです。
時間が有れば後の「国交正常化」についても発言したいと思いますが、残業残業で 毎晩遅く帰ってくる身ではなかなか発言はできません。あしからず。