やはり、スパイを侵入させた場合には厳しい批判と追求は必要と考えています。
しかし、北朝鮮には資源がなく、ビジネス立地条件を見ても、魅力に乏しい国です。
もし、人権侵害批判ばかりして、困っているのを分かっていながら、独裁体制延命に
つながるとして、何の経済援助もしなければ、それは偽善になると思います。
食料があまりにも不足していれば、権力のある者から支援物資が行くのは当然の事
でしょう。むしろ、食糧支援は取引材料として出し惜しみせず、積極的に支援する事
が望ましいと思います。その中でこそ北朝鮮体制の矛盾もより一層暴露されるでしょ
う。体制延命につながるからと言って、支援を惜しみ、見殺しにするのではなく、今
まで以上に積極的な支援をすれば、北朝鮮国民との融和も図れます。それが友好につ
ながるでしょう。敵対的な関係を続ければ、いつか金体制が崩壊するというが、その
「いつか」が来るまでにどれだけの人々を犠牲にし、苦しめるのか?
むしろ、北朝鮮が腐敗しているとして、支援物資も横取りせねばならぬほど、誇り
も捨てねばならぬような状況から脱することで、どれほど北朝鮮国民からも、さらに
政府の内部からも信頼されるでしょうか。民主的な動きもその中から生まれるのでは
ないでしょうか。これまでの日本のマスコミの目は「北朝鮮の策略に利用されるな。
体制を延命させるな」の一点張りで、北朝鮮国民の犠牲をあまりにも止むを得ないこ
とにし過ぎていると思いました。それはイラク戦争勃発まで13年間続いたイラクへの
経済制裁についても同様です。ミャンマーもキューバもスーダンも経済制裁で政権は
倒れませんでした。