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「北朝鮮問題」討論欄

拝啓 長壁満子様 2

2004/12/02 金 国雄

 長壁満子様、こんばんわ

 ここのところ体調が思わしくなく昨日は、中途で返事を中断させていただきました。

 昨日を振り返り、やはり私の性格とまた加齢によっても、対話者に対する姿勢としては、少しばかり厳しい発言であったかとも思いその点に関しては、反省をする次第です。

 しかし私も長年、他所等での見聞に基づき、長壁さんの行く末を按ずる次第です。できますなら長壁さんの人生が確かな実りがある有意義な様に願っています。しかし人生の途上には、危険な落とし穴もあるように思います。

 長壁さん流の表現をお借りして申し上げれば、必ずしも「ゆで釜」は一つではないと言うことと思います。足元をしっかりと見つめて、視点を鍛え歩まれることを切に願う、おせっかいな人生の後半期を迎えたある在日の真摯な思いから出る忠告と思っていただければ幸いです。

 先回の投稿では長壁さんの平和に対する質問やその姿勢に対する疑問にお答えするまでには至りませんでしたので、それに今日は触れればと思います。

 「平和」とはどのようなものでしょうか? 確かに戦争状態にない状況とも考えられるでしょう。例えばアメリカによるイラクに対する侵略戦争、ファルージャでの住民への無差別な殺戮・虐殺に対して心あるものはすべて悲しみとともにその非を批判し戦争に反対し責任の追及と抗議を行うべきものです。それはアメリカの為政者が叫ぶところの民主主義と正義とは正反対であり正に世界の民衆の側にたち平和とともに願い求める正義と考えます。

 また先日の自民党の憲法改正案によるところの日本軍の法的な認知・公認や天皇を元首にするという主権在民の放棄と言う、この日本の非民主化ということも平和にとって切実な脅威となるでしょう。

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 しかし同時に、平和の問題にとっても北朝鮮問題もゆるがせにできない問題ではないでしょうか。そのことはここでも多くの方が感じていることではないでしょうか。またこの日本における平和運動においても多大にマイナスな影響を与えたことは皆さんがすでに経験されたことと思います。

 かつての冷戦思考に基づく平和主義の行き詰まりが誰の目にも明らかなことは私が述べるまでも無いことでしょう。その結果が守旧派(右翼、排外主義者など)に勢いを与えてきた情況を何処でも目にするところです。

 どうか長壁さんにも目を大きく開き、世界・社会をまた平和ということに対しても深く考えていただきたいと願います。

 北朝鮮の人々の置かれている状況ひとつとっても、これが果たして平和と言えるでしょうか? 飢餓に倒れる人々、満足に医療を受けることもできず人生を終える人びと。また政治犯収容所で人生を終える方もおられる。また脱北者の群れ。監獄のような社会の中で各人が人間性を開花させることもできません。また人びとが民主主義のもとで真に世界の平和ために働き寄与することもできません。その可能性すら奪われています。

 在日を含む私たち韓国・朝鮮人は、世界平和のためにも寄与したいと強く願っています。そのためにも北朝鮮の人々が抑圧体制から解放されなければなりません。

 どうかそのような我われの願いや思いにも心を馳せていただければ幸いです。

 また、このような体調状況の中でも私なりの活動があります。先日の週末にもある方たちとお会いして来たところです。

 活動家は身を削ります。

 それでは失礼いたします。
  金 国雄 拝